著作権Q&A
新聞記事
事案 09 クリッピング外注が部門ごとバラバラ
各部門ごとにクリッピングを外注していたが、広報部ではそれぞれの契約内容、複製許諾の有無など把握していなかった。外注費も、各部門で予算項目が「調査費」「データベース費」などバラバラ。会計部門から是正を指示された。
事案 08 契約違反の複製印刷、発覚
広報課に届く記事切り抜きFAXは、複合機でPDF化され、社内全員がアクセス、印刷できる共有ファイルに自動格納されていた。法務部の契約担当スタッフが気づき、「クリッピング会社との契約に違反しないのか。違約金を請求される恐れがある」と問題化した。
事案 06 見出しを大量に書き写していた
朝刊各紙から自社に関係ある記事20~30本の見出しを書き写して一覧表を作り、幹部にメールしている。本文の書き写しは行っていないので、無許諾複製にはあたらないと思っていたが、新聞社のサイトには「見出しにも著作権がある」という記述があった。
File 06「保護期間70年」ああ勘違い
「著作権の保護期間は発表から70年ですから、それを過ぎているものはだれでも自由に使えます。確かに御社の記事と写真を使わせていただきましたが、出典の記載がなくても問題ないと思います」。 2日後に、全国紙の知財部からメールが届いた。記事の方は著作者人格権により出典の表示を求めること、写真の方は著作権を有する写真家が存命であり複製許諾が望ましいこと、などが記され「不当な方法での利用には法的手段が用いられることがあります」と結ばれていた。
お悩み 76 |クリッピング業者から送られてくるクリッピング記事を社内配布する場合、著作権はどのようになっているのでしょうか。契約料にはそれも含まれているのでしょうか。それと も各新聞社と個別に契約を結ばないといけないのでしょうか。(電気機器)
クリッピング業者が各新聞社からどのような許諾を受けているのか、どのような利用法が可能なのか、業者によく確認しましょう。業者が許諾を受けていない場合は…
お悩み 75 |新聞紙面をスキャンし、社内会議で使用しても宜しいのでしょうか。会議が終わり次第廃棄します。(製造業)
社内会議に使用する目的で(=私的使用でなく)新聞紙面をスキャンした時点で「無許諾の複製」を行ったことになります。 このコーナーで繰り返し申し上げていますが…
お悩み 72 |電子版の著作権はどうなってますでしょうか? 日経電子版など無料で掲載されているものを得意先に当社掲載事例としてご案内するのは問題ないでしょうか?(非鉄金属)
その記事の上部には、メールやフェイスブック、ツイッターなどのアイコンがついていませんか?日経に限らず、新聞社サイトの記事にはついていることが多いです。それをクリックし、その記事を「リンク」として相手に送信したり共有することは、新聞社が公認しておりOKですので、積極的に利用しましょう。 NGなのは、「記事のテキストや画像をサイトからコピペしてメールに貼る」「記事をキャプチャーし、画像としてメールやSNSで使う」など、無許諾の複製を伴う場合です。
お悩み 68 |掲載記事を遠隔授業で利用してもよいか?(大学図書館)
授業目的公衆送信補償金制度があります。学校が一定の補償金を支払うことで、授業において著作物を無許諾で公衆送信できます。コロナ禍の2020年4月に急きょ無償でスタートしましたが、2021年度からは補償金の徴収を開始しています。小学校120円、中学校180円、高校420円、大学720円(各1人あたり/年額)などです。
お悩み 66 |記事の講演資料等への引用(コピペ)について教えて下さい。(不動産)
パワーポイント等のスライド資料を作成し会社関係の講演を行う場合を想定します。著作権法上の「引用」として記事を利用するには、①本文(自論)と引用部分とを明瞭に区別する②本文が主、引用部分が従である(量的・質的)③引用する必然性がある④改変しない⑤出典を明記する、の5点を満たす必要があります。また「おみやげ資料」として講演後に配布する場合、スライド資料全体ではなく、引用した記事部分だけをコピー配布するのは著作権者の許諾が必要と考えた方が良いでしょう。
お悩み 65 |掲載記事の二次利用は、担当記者などに口頭で承認をいただいただけの場合、使用して問題ないのでしょうか。(医療)
記者は通常、著作者でも著作権者でもありません。記者の所属する新聞社や出版社が著作者であり著作権者です。これを職務著作(法人著作)と言います。よって記者には、掲載記事の二次利用を許諾する権限はなく、会社(法務部門など)が判断することになります。また口頭でも契約(許諾)は成立しますが、曖昧性を回避するため、できるだけ書面で交わすべきでしょう。