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著作権判例クイズ

【第10回】違法サイトに広告を出しただけで損害賠償請求?

問題

 無断で漫画をアップロードしていた著作権法違反のサイトに、広告を出稿していた広告代理店がありました。違法サイトに広告料を支払っていたので、違法サイトの運営をサポートする「幇助行為」に当たるとして、漫画の作者から損害賠償請求されてしまいました。広告の掲載を行っただけで損害賠償の対象となるのでしょうか。
(本件は平成29年~30年頃の行為についての裁判です。)

  1. 広告代理店はあくまでも広告料を支払っただけであり、直接的な著作権侵害行為を促すことにはならない。そのため、損害賠償請求は認められない。
  2. 当時、広告代理店は漫画の無断アップロードサイトが違法だと知らなかったため、損害賠償の対象とはならなかった。
  3. サイトの主な収入は広告によるものであり、また広告出稿先の注意義務を怠ったとして損害賠償請求が認められた。

解答

③サイトの主な収入は広告によるものであり、また広告出稿先の注意義務を怠ったとして損害賠償請求が認められた。

 本件は漫画の違法アップロードサイトの問題が世間で話題になり始めた、平成29年頃の行為です。ツイッターやテレビ番組、新聞などでもサイトの違法性が指摘されていました。また、サイトの収入は広告によるものがほとんどでしたので、官民共同の取り組みとして広告抑止策が始まっている時期でした。
 本件の広告代理店は、広告主であるお客様から違法サイトへ広告出稿していないことを確認されているにもかかわらず、違法サイトへの広告出稿を続けていました。
 上記より、広告代理店としての注意義務違反とサイト運営への幇助と認められ、損害賠償の対象となりました。

参考

著作権判例クイズは弊社顧問弁護士の監修のもと作成しております。

  • 令和4年6月29日 知的財産高等裁判所 令和4(ネ)10005 損害賠償請求控訴事件

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