【第13回】イラストの著作権処理、責任があるのは広告代理店?発注した企業?
部品メーカーのA社は商品の広告に使用するため、広告代理店B社にイラスト作成をお願いしました。広告代理店B社はデザイン会社C社に制作を依頼し、完成したイラストを使って広告を掲載しました。このとき、著作権に関する責任はB社が持っていました。
イラストを使った広告は大変好評で、色違いのパターンを作成して様々な広告やパッケージに使用しました。色違いのパターンの作成は、初めはC社に依頼していましたが、B社やA社が独自に行うようになりました。
これに気づいたC社は利用の停止と損害賠償を求めて裁判を起こしました。著作権処理の責任があるとされたのは、メーカーA社と広告代理店B社どちらだったのでしょうか。
広告代理店B社
色違いのイラストを使用するようになっても、A社の広告出稿はB社を通して行っていました。そのため、広告代理店B社はそのイラストの改変を認識しており、著作権法上の問題があればA社に伝える責任があったとされました。
B社はA社に対して改変の停止や利用の中止を強く求めておらず、連絡義務を果たしていないとみなされ、B社は損害賠償請求を命じられました。
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・平成20年4月18日 東京地方裁判所 平成18年(ワ)第10704号 損害賠償請求事件