著作権Q&A

著作権のお悩みコーナー
お悩み 61 |所属する業界の月刊専門誌などは、クリッピングサービスが使えません。冊子の回覧では時間がかかってしまいます。社内で閲覧する良策がありますか。(介護)
一般的な職場の回覧ルールは、 ①回覧順序(個人単位)の一覧表を表紙に添付する。 ②回覧者のチェックに加え、閲覧した日付も記載する(誰で停滞したかがわかる)。 ③不在や後で見たい場合は、次の人に先に回す。次の人は、一覧表を見て、 ジャンプされた人に戻すか、更に次の人に回すかを意識する。 だと言えそうです。 加えて、回覧人数が多すぎるなら、 ④フロア単位や職場単位など、回覧に適正な部数を購入する ことも必要です。1部増やせば総回覧時間は半減します。
お悩み 60 |社内報への掲載についての質問です。自社について取り上げられている新聞・雑誌記事を社内報にて掲載するのは大丈夫でしょうか。(小売業)
社内報に転載する時点で複製を行うことになるため、許諾が必要です。新聞社の場合、社内報掲載のための申請は日頃から数多く受け付けており、迅速に対応できると思います。社内報の部数など必要事項を整理しておいて下さい。
お悩み 59 |クリッピング業者に記事のPDFを納品してもらった場合著作権法違反になりますか?(サービス業)
記事のPDF化、つまり複製の許諾を、だれが取る契約になっているか、によります。クリッピング業者が新聞社など著作権者に取るのか、あるいはサービス利用者側が取るのか、はっきりしない場合は必ずクリッピング業者に確認して下さい。
お悩み 58 |記事を関係者間で共有したい場合は、紙にコピーして配布しています。(コピーに関しては、各新聞社と包括契約を締結しています。) 現在は社員がテレワーク生活で、コピーして配布することができません。有料のオンライン・クリッピングサービスで抽出された記事を、zoomやteamsなどのVCツールを使った関係者の会議で「画面共有」をして、参加者で閲覧する行為は、著作権の観点ではいかがでしょうか?( 電気機器)
ウェブ会議システムでの画面共有の機会は増えてきましたが、ご相談のケースは、望ましくない、と言わざるを得ません。 社外にいる(=同一の構内ではない)社員や関係者との画面共有は、著作権上の公衆送信にあたると考えられます。 共有するものが、もともと公開され誰でも閲覧できるものなら、画面共有しなくても会議参加者全員が直接アクセスすれば閲覧できますので、権利者の利益を害しているとまでは言えないでしょう。 しかしお示しのサービスで提供される記事は、無料公開されているものではなく、閲覧者を限定して有料配信されるものです。この場合は、サービス契約先に利用者の範囲の拡大の許諾を得ることが本筋かと考えられます。
お悩み 57 |会社案内のパンフレットや、学生向けの説明会で使用するプレゼン、営業用資料などに、自社や商品が紹介された記事(または媒体の表紙)の画像を載せる場合、その都度出版社などに確認が必要なのでしょうか?(商社)
【回答】はい、必要です。自社や商品が紹介された記事とはいえ、その記事の著作権は媒体社が持っています。また媒体の表紙も、原則としてその媒体社が著作権者だと言えます。それらの画像を、自社の会社案内パンフレット等に掲載することは、企業活動における複製行為となりますので、著作権者の許諾が必要です。 なお書籍の表紙写真について、出版社によっては、一定の条件を満たせば許諾申請不要としている場合もありますので、その出版社にご確認下さい。
お悩み 56 |自社が撮影した写真とともに、 記事のタイトルを紹介するのは著作権侵害でしょうか。また、タイトルと簡単な要約を掲載するのは著作権侵害でしょうか。(福祉)
何らかの媒体に掲載された記事を写真撮影し、その見出しと共に、自社媒体で紹介する、という事でしょうか?その場合、記事の写真撮影は複製(コピー機でコピーを取るのと同じ)に当たりますので、許諾が必要です。 一方、見出しと簡単な要約を掲載する場合、それを見れば原本を読むのが不要になるほどの要約は、「翻案」とみなされ許諾が必要となります。見出しの一部、掲載媒体名と掲載日、自社の○○が掲載されていますという程度の紹介、に留めた方が良さそうです。
お悩み 55 |クリッピングサービスから購入した記事は社内でメール回覧、イントラネットへの掲載で共有はできるのでしょうか。(情報・通信)
そのクリッピングサービス提供社が、新聞社側から、どのように許諾を取っているかによります。ここで質問されるという事は、許諾の範囲が分かっていないという事ですから、至急提供社に確認されることをお勧めします。通常は、メール回覧やイントラネット掲載などの二次利用までの許諾は取っていないことが多いです。 ELNETのサービスの場合、「FAX型」ならFAX出力されたものを社内回覧するところまではできますが、それを複製してメール回覧したり、イントラネットに掲載したりすることはできません(ELNETが記事の複製許諾手続きを一括で代行するオプションサービス有)。「ネットワーク型」の場合、あらかじめ登録されたメンバーに記事PDFを専用画面で共有することは可能ですが、記事PDFを複製してメール添付したり、社内イントラネットに複製して保管・公開したりすることはできません。
お悩み 54 |当社では、広報部が新聞クリッピングを行い、印刷部数分の著作権料を各誌にお支払して、コピーして各部に回付しています。 コピーしたものには「複製禁止」として、定期的に著作権に関する講習もおこなっておりますが、社員の意識によるところが大きく、コピーしようと思えばできてしまう状態なので、どこまで徹底して防止策を講じるべきか悩んでいます。 紙で回付する場合、「複製禁止」と表示するほかに、複製できなくしてしまう方法などありますか?(運輸・鉄道)
例えば市町村の発行する「住民票」の原本をコピー機でコピーすると、地紋のように「複製物」などの文字が浮き出る仕様になっていることがあります。しかし、新聞原紙などに、あとからこの仕様を施すのは、難しそうですね・・・やはり社員教育を徹底し、社員の意識を高めるのが王道かと思います。 多くの新聞社では、講師派遣制度を設けており、企業に出向いて著作権遵守に関する講演を行うこともできます。この制度を利用し、同時に新聞による情報収集法まで学ぶセミナーを企画してみてはいかがでしょうか?
お悩み 53 |当社社員がコメントした記事(社名、氏名入り)の著作権は当社にあるのか媒体社にあるのかがわかりません。(金融)
著作権は媒体社にある、と考えた方が良いでしょう。媒体社の記者は、特集のテーマに沿ってあらかじめ質問を考え、口述のコメントをもとに創作的表現を使って編集し、定められた紙幅に収めています。一方コメントを発した側が著作者として認められるのは、①話した内容が加工されず逐語掲載された場合、②編集行為そのものに携わった場合、と考えられています。またごく短いコメントは、著作物性が認められない場合も多いです。
お悩み 52 |プレスリリースを配信する際、記事中に行政や調査会社が発表している統計やアンケート結果を使用することは問題ないでしょうか。 また使用の際、発表側への確認が必要ですか?(小売業)
行政の統計に関して、総務省統計局のホームページでは、「どなたでも以下の1)~6)に従って、複製、公衆送信、翻訳・変形等の翻案等、自由に利用できます。商用利用も可能です。」と明記されています。https://www.stat.go.jp/info/riyou.html 出典を記載するなど1)~6)のルールを守れば、国勢調査、家計調査、経済センサス等、有用なデータが利用できます。 一方、民間調査会社のデータは、情報に経済的価値がある場合の無断利用は、権利侵害と見做される場合があります。