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情報収集の方法やツール、情報収集能力を高めるコツを紹介

情報は企業の保有する重要な無形資産のひとつです。しかし、情報収集の仕方について組織的にノウハウを共有しておらず、各従業員の能力に依存している企業は多いのではないでしょうか。そこで本記事では、ビジネスに役立つ情報はどこでどのように手に入れればいいのか、情報収集の手段や大切なコツについてわかりやすく解説します。

ビジネスにおける情報収集とは


ビジネスにおける情報収集とは、あるビジネス目標を達成するために役立つ情報を集めることを指します。たとえば、企業が製品を開発する際は、どのような製品が現在の市場で売れ筋なのか、他企業の製品も含めて既存の人気商品をリサーチすることが多いでしょう。こうした情報を集めて、そこから何らかのヒントを抽出することで、優れた商品を開発しやすくなります。

ただし、ビジネスにおいては、情報をひたすら集めればいいわけではありません。情報収集やその分析に時間を割きすぎると、商品を世に出す頃にはすでに市場のトレンドが変わってしまっている可能性もあるからです。また、信頼性の低いソースから集めた情報では、そこから得られる知見も実態から程遠いものになってしまうでしょう。

そのため、ビジネス目的で情報収集を行う際には、正確かつ迅速に、効率よく有用かつ信頼性の高い情報を集めることが重要です。

情報の種類

情報収集をする際に大切なことは、自分が集めるべき情報、あるいは自分が目にしている情報が、どのような種類の情報なのか正確に理解することです。一般的に情報の種類は、情報の内容により「定量情報」「定性情報」、または情報源の違いにより「一次情報」「二次情報」に分類できます。それぞれの特徴は以下の通りです。

定量情報

定量情報とは、一般に数量化できる情報を意味します。売上額や在庫の数量、顧客数などが具体例です。データ分析の文脈では、定量データと呼ばれることが多いでしょう。

一般に定量情報は、客観的に情報を見極めるのに適しており、統計データとして使いやすいのが特徴です。グラフなどにして可視化することも簡単で、数値が示す事実そのものには解釈の余地がありません。たとえば、先月の売上が1,000万円、今月の売上が800万円とデータで示されていたら、自社の売上が下がっていることは誰の目にも明らかです。そのため定量情報は、数量で表せる客観的な事実を知りたい場合に役立ちます。

定性情報

定量情報とは対照的に、数量化できないタイプの情報が定性情報(定性データ)です。社会情勢やトレンドの内容、製品の材質や特徴、顧客が自社製品のどこを気に入ったかなどが定性情報の具体例として挙げられます。要するに、言葉や実際の感覚などで示されなければわからないことが定性情報です。

たとえば、先の売上低下の事例では、売上が「いくら」下がったという事実は定量情報によってわかっても、「なぜ」売上が下がってしまったのか、その理由や背景はわかりません。それを知るには、顧客にアンケート調査を実施するなどして、言葉で説明してもらう必要があります。あるいは食品会社であれば、実際に自社の商品を試食して、その味の質を自分たちで確かめるのも役立つでしょう。

定性情報から得られる情報は、定量情報と比べて解釈の余地が広いことに難点があります。しかし、定量情報で示された事実の裏にある背景を深く理解するには、定性情報を収集・分析することが重要です

一次情報

一次情報とは、第三者による解釈などが施されていないオリジナルの情報を意味します。たとえば、ある既存の一次情報を知りたいという場合は、それを実際に発表した組織の資料(アンケート調査、現地調査、調査結果など)を探すことが必要です。

論文執筆やデータ分析をする際は、可能な限り信頼できる一次情報を集めることが重要になります。後述の二次情報は、第三者が一次情報を伝聞した内容になるため、故意かどうかによらず、何らかの形で情報が歪められてしまうリスクがあります。最悪の場合、本当は一次情報が最初から存在しない可能性すらあるでしょう。そのため、二次情報を先に発見したとしても、本当に一次情報がその通りになっているのか、またその一次情報が信頼できるのかを自分で確認しなければなりません。

二次情報

二次情報とは、一次情報を受けて、その内容に関して何らかの説明・解釈・評価・分析などを施した情報です。たとえば、ある研究機関が公式ホームページ上で発表した研究成果(実験データ)を新聞やテレビ番組が報じたとしましょう。この場合、その研究機関が発表した実験データが一次情報、新聞テレビ番組が二次情報です。

基本的にメディアが報じているニュースなどは二次情報に該当します。専門用語が多くて難解な一次情報の内容をわかりやすくまとめたり、多様な一次情報を集めて幅広い視点から全体を捉えたり、有用な分析や解釈を施したりしているものも多々あります。また、隠されている一次情報を表に出すという機能もあります。

新聞、雑誌、テレビなどは、編集責任者によるチェックが行われていて、それぞれに情報発信のノウハウが蓄積されています。しかし、二次情報の中には、あやふやな伝聞情報もあります。特にインターネット上では、貴重な一次情報が発信されている一方で、単なる個人の見解やデマ、誹謗中傷に近い二次情報、三次情報などもあふれているので、真偽や発信者の狙いを見極めて取捨選択する必要があります。

なぜ情報収集が必要なのか?

情報収集がビジネスにおいて情報収集が必要な理由は大きく2つあります。まず、意思決定をする際に適切な判断ができるようになります。次に、その意見を他者に提案をするときにも、根拠をもって信憑性のある説明ができます。情報の裏付けがないアイデアは、個人的な思いつきの域を脱しません。たとえそれが実際に優れたアイデアだったとしても、組織や他人を動かすには、そのアイデアがなぜ有用なのか説明する必要が生じます。

その際の説得材料が自分の直感だけでは、「ただの勝手な思いこみじゃないか」と周囲に疑念を抱かせる結果になるでしょう。しかし、「消費者の何%がこうしたサービスを求めている」「このサービスが関係する市場規模は毎年何%成長している」などのデータを同時に示せれば、遥かに説得力が増します

これは営業先に自社商品の売り込みをかける際にも同様です。営業担当者が自社の商品をよく言うのは当たり前のことにすぎません。しかし、自社商品の売上や市場シェア、顧客満足度などを示す客観的なデータをそこに添えれば、自社に都合がいいように手前勝手なことを言っているという印象を避けられます。

また、情報収集はアイデアそのものの精度を高めるためにも効果的です。たとえば、類似のサービスなどの情報収集をすることで、他社の優れた点に学びつつ、自社の強みや違いをどこに出すべきかも具体的になってきます。類似のデータや過去のデータを参照することで、将来予測なども立てやすくなるでしょう。

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情報収集能力のある人の特徴


情報収集能力のある人は、どのような方法でその仕事を行っているのでしょうか。以下では、情報収集の質を高める参考として、情報集収集能力のある人の特徴を紹介します。

視点を広くもって情報収集ができる

情報収集能力の高い人は、発信者の意図も踏まえつつ情報を集め、多角的に解釈できるのが特徴です。世の中には膨大な情報が溢れていますが、自分のニーズにぴったり合致する情報というのは案外多くありません。そのため、情報収集をする際には、どの情報がどのように自社のビジネスのために役立つのか、広い視点から情報を吟味する能力が必要です。

複数の情報源を活用している

複数の情報源を活用していることも、情報収集能力の高い人にはよく見受けられます。現代で情報収集の手段といえば、インターネットやSNSが最初に連想されるようになりつつありますが、新聞や書籍などの方が信頼性は高く、有用な情報が埋もれていることも少なくありません。また、情報にはそれぞれ伝達に向いている媒体があるので、文字だけでなく、画像や動画からの情報を取り入れることも重要です。

そのため、情報収集に優れた人は、それぞれの情報ソースの特徴や強みを理解した上で、適宜それらを使い分けています。外国のWEBサイトを積極的に参照している人も多いでしょう。

情報交換をよくしている

自分で知識を溜めこむだけでなく、他者と情報交換をよくしていることも特徴のひとつです。情報収集が上手な人は、他者が自分にはない知識や観点を持っていることを十分に理解しています。たとえば、自分の専門外のことについて知る必要が生じた際、自分だけでその知識を学ぶには多くの時間や手間が生じます。しかし、それについて詳しい人に質問すれば、たとえ直接問題が解決しないにしても、何らかのヒントは得られるでしょう。

ここから導かれるもうひとつの特徴として、情報収集が上手な人は多様な人やコミュニティと関係を持っていることも挙げられます。要するに顔が広いということです。多種多様な人々と交流を持ち、積極的に情報交換をしていく中で、情報を集める能力と情報を発信する能力の両方を高められます。

ツールを利用して効率的に情報収集している

情報収集能力が高い人の多くは、さまざまなツールを利用して効率的に情報を集めています。具体的には、新着情報の通知機能、検索のフィルタリング機能、スクレイピング機能、クリッピング機能などが挙げられます。

先に触れたように、ビジネスにおける情報収集では迅速さや情報の鮮度も重要です。少ない時間で多くの情報をチェックするためには、こうしたツールを積極的に活用して、情報収集の効率化に取り組むことが大切であると、能力のある人はよく理解しています。

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必要な情報の取捨選択ができる

情報収集能力の高い人は情報の取捨選択も上手です。情報の中には、互いに矛盾しているもの、信憑性の怪しいもの、自社には役立たないものも数多くあります。玉石混淆な情報のすべてを一緒くたに受け取るようでは、ビジネスに役立つ知見を得ることはできません。自身の目的に応じて情報を整理し、本当に有用な情報だけをそこから抽出することも重要です。

情報収集のコツ

続いては、情報収集を効果的に行うためのコツを紹介します。

目的を明確にする

情報収集をする上で大切なことは、情報収集の目的を明確にしておくことです。情報収集は、特定のビジネス課題を解決するための手段にすぎません。目的が明確でないと、情報収集そのものが目的になってしまい、自己満足で終わってしまったり、本来の目的に役立たない情報を集めてしまったりする恐れがあります。そのため、情報を集める際は、何のために情報を集めるのか、自分に必要な情報はどのようなものなのか整理し、方向性を定めて作業を行うことが重要です。

必要な情報に合わせたツールの選択

情報収集をする際は、集めるべき情報の特性に合わせて、情報源やツールを適宜使い分けることが重要です。たとえば、リアルタイムに消費者の口コミやトレンドなどを知りたいなら、SNSが有効です。半面、信頼性や専門性を重視するなら、政府や研究機関の公表している情報や書籍などを参照するのがよいでしょう。社会情勢などを知りたい場合、または、多角的に情報を把握したい場合は、新聞やテレビニュースなどの大手メディアが大きな力になります。いずれにしても、情報収集をする際は各媒体の特徴を踏まえてツールや情報ソースの選択をしましょう。

アウトプットも同時にする

インプット(情報収集)するだけでなく、アウトプット(情報発信)することも重要です。口頭で話すにせよ、資料としてまとめるにせよ、アウトプットすることで知識は自分の中で体系化され、定着しやすくなるでしょう。情報を話した相手から意見をもらうことで、新しい知見を得たり、情報の精度が高まったりすることも期待できます。

主な情報源


最後に、情報収集をする際には、どこから情報を手に入れればよいのかを解説します。

インターネット検索

情報収集の方法として、インターネット検索は誰もが思いつく方法でしょう。手元のスマホを使ってキーワードを打ち込むだけで、手軽に情報を取得できるのがインターネットの強みです。ただし、本格的に正確な情報を知りたいときには、信頼性の高い情報ソースを精査する必要があります。

公共機関の公表・公開する資料

官公庁や地方自治体などの公共機関が公開しているデータは、信頼性や正確性の高い情報の代表例です。こうした資料を活用すれば、国家レベルの大規模な統計データも入手できます。最近では、これらの公共機関も積極的にWEB上でデータを公開しているので、調べたい範囲に関わる省庁や自治体名も検索語に加えた上でインターネット検索するといいでしょう。

シンクタンク

シンクタンクが発信するの情報も信頼性の高い情報に含まれます。シンクタンクとは、特定分野の専門家で構成された調査・研究機関です。運営主体は国や省庁の場合と民間企業の場合があり、その研究分野は政治、経済、IT、科学技術など多種多様です。シンクタンクが発表する調査結果は専門家が精査した内容で正確性が高く、ユニークな内容のものも多々あるため、適宜チェックしてみるのがおすすめです。

新聞やテレビ

新聞やテレビなどの伝統的なメディアも、大きな力を持っています。新聞は正確性の高い取材に基づいた幅広い分野の情報が手に入り、地方の情報も集められるのがメリットです。新聞の掲載記事を読めば、その日知っておくべき情報が把握できます。他方で、テレビは映像として多くの分野の情報を短時間で情報収集するのに適しています。ただし、複数の報道を比較し、可能であれば一次情報をチェックすることが重要です。

SNS

SNSのチェックも情報収集のために役立つ方法です。SNSでは簡単に情報を集めることができ、画像や動画など文字以外の形でも情報を集められます。SNSではリアルタイムで発信される意見をチェックできるので、現在の流行や社会のニーズを迅速に把握したい場合は役立つことが多いでしょう。

まとめ

適切に収集・分析された情報は、アイデアや提案に具体性や説得性を持たせる上で重要です。ビジネスで役立つ情報収集のコツについては、以下のリンクからダウンロードできる資料でも詳しく解説しています。効果的な情報活用を促進するためにも、ぜひご参照ください。

※本コラムはELNET外部の筆者が執筆しています。

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