著作権Q&A

雑誌記事
お悩み 68 |掲載記事を遠隔授業で利用してもよいか?(大学図書館)
授業目的公衆送信補償金制度があります。学校が一定の補償金を支払うことで、授業において著作物を無許諾で公衆送信できます。コロナ禍の2020年4月に急きょ無償でスタートしましたが、2021年度からは補償金の徴収を開始しています。小学校120円、中学校180円、高校420円、大学720円(各1人あたり/年額)などです。
お悩み 66 |記事の講演資料等への引用(コピペ)について教えて下さい。(不動産)
パワーポイント等のスライド資料を作成し会社関係の講演を行う場合を想定します。著作権法上の「引用」として記事を利用するには、①本文(自論)と引用部分とを明瞭に区別する②本文が主、引用部分が従である(量的・質的)③引用する必然性がある④改変しない⑤出典を明記する、の5点を満たす必要があります。また「おみやげ資料」として講演後に配布する場合、スライド資料全体ではなく、引用した記事部分だけをコピー配布するのは著作権者の許諾が必要と考えた方が良いでしょう。
お悩み 65 |掲載記事の二次利用は、担当記者などに口頭で承認をいただいただけの場合、使用して問題ないのでしょうか。(医療)
記者は通常、著作者でも著作権者でもありません。記者の所属する新聞社や出版社が著作者であり著作権者です。これを職務著作(法人著作)と言います。よって記者には、掲載記事の二次利用を許諾する権限はなく、会社(法務部門など)が判断することになります。また口頭でも契約(許諾)は成立しますが、曖昧性を回避するため、できるだけ書面で交わすべきでしょう。
お悩み 60 |社内報への掲載についての質問です。自社について取り上げられている新聞・雑誌記事を社内報にて掲載するのは大丈夫でしょうか。(小売業)
社内報に転載する時点で複製を行うことになるため、許諾が必要です。新聞社の場合、社内報掲載のための申請は日頃から数多く受け付けており、迅速に対応できると思います。社内報の部数など必要事項を整理しておいて下さい。
お悩み 59 |クリッピング業者に記事のPDFを納品してもらった場合著作権法違反になりますか?(サービス業)
記事のPDF化、つまり複製の許諾を、だれが取る契約になっているか、によります。クリッピング業者が新聞社など著作権者に取るのか、あるいはサービス利用者側が取るのか、はっきりしない場合は必ずクリッピング業者に確認して下さい。
お悩み 58 |記事を関係者間で共有したい場合は、紙にコピーして配布しています。(コピーに関しては、各新聞社と包括契約を締結しています。) 現在は社員がテレワーク生活で、コピーして配布することができません。有料のオンライン・クリッピングサービスで抽出された記事を、zoomやteamsなどのVCツールを使った関係者の会議で「画面共有」をして、参加者で閲覧する行為は、著作権の観点ではいかがでしょうか?( 電気機器)
ウェブ会議システムでの画面共有の機会は増えてきましたが、ご相談のケースは、望ましくない、と言わざるを得ません。 社外にいる(=同一の構内ではない)社員や関係者との画面共有は、著作権上の公衆送信にあたると考えられます。 共有するものが、もともと公開され誰でも閲覧できるものなら、画面共有しなくても会議参加者全員が直接アクセスすれば閲覧できますので、権利者の利益を害しているとまでは言えないでしょう。 しかしお示しのサービスで提供される記事は、無料公開されているものではなく、閲覧者を限定して有料配信されるものです。この場合は、サービス契約先に利用者の範囲の拡大の許諾を得ることが本筋かと考えられます。
お悩み 57 |会社案内のパンフレットや、学生向けの説明会で使用するプレゼン、営業用資料などに、自社や商品が紹介された記事(または媒体の表紙)の画像を載せる場合、その都度出版社などに確認が必要なのでしょうか?(商社)
【回答】はい、必要です。自社や商品が紹介された記事とはいえ、その記事の著作権は媒体社が持っています。また媒体の表紙も、原則としてその媒体社が著作権者だと言えます。それらの画像を、自社の会社案内パンフレット等に掲載することは、企業活動における複製行為となりますので、著作権者の許諾が必要です。 なお書籍の表紙写真について、出版社によっては、一定の条件を満たせば許諾申請不要としている場合もありますので、その出版社にご確認下さい。
お悩み 56 |自社が撮影した写真とともに、 記事のタイトルを紹介するのは著作権侵害でしょうか。また、タイトルと簡単な要約を掲載するのは著作権侵害でしょうか。(福祉)
何らかの媒体に掲載された記事を写真撮影し、その見出しと共に、自社媒体で紹介する、という事でしょうか?その場合、記事の写真撮影は複製(コピー機でコピーを取るのと同じ)に当たりますので、許諾が必要です。 一方、見出しと簡単な要約を掲載する場合、それを見れば原本を読むのが不要になるほどの要約は、「翻案」とみなされ許諾が必要となります。見出しの一部、掲載媒体名と掲載日、自社の○○が掲載されていますという程度の紹介、に留めた方が良さそうです。
お悩み 55 |クリッピングサービスから購入した記事は社内でメール回覧、イントラネットへの掲載で共有はできるのでしょうか。(情報・通信)
そのクリッピングサービス提供社が、新聞社側から、どのように許諾を取っているかによります。ここで質問されるという事は、許諾の範囲が分かっていないという事ですから、至急提供社に確認されることをお勧めします。通常は、メール回覧やイントラネット掲載などの二次利用までの許諾は取っていないことが多いです。 ELNETのサービスの場合、「FAX型」ならFAX出力されたものを社内回覧するところまではできますが、それを複製してメール回覧したり、イントラネットに掲載したりすることはできません(ELNETが記事の複製許諾手続きを一括で代行するオプションサービス有)。「ネットワーク型」の場合、あらかじめ登録されたメンバーに記事PDFを専用画面で共有することは可能ですが、記事PDFを複製してメール添付したり、社内イントラネットに複製して保管・公開したりすることはできません。
お悩み 51 |掲載された記事を他部署で回覧したいと言われた場合、別途著作権契約は必要でしょうか。(機械)
新聞や雑誌を切り抜いてそのまま(あるいは台紙に貼って)回覧する場合は、契約は必要ありません。しかし、記事をコピー(複製)したものを回覧する場合は、著作権者の許諾を得る必要があります。 もし「コピーの回覧についてすでに許諾契約を結んでいて、許諾を得た範囲を超えて他部署でも回覧したい」ということであれば、著作権者(新聞社や出版社)に相談しましょう。