著作権Q&A

自社記事
お悩み 19 |自社記事を社内に知らせることと著作権のバランスを、どうとったらよいでしょう。社員への著作権教育の方法も知りたい。(電機)
自社・業界記事を社内でスピーディに共有することは重要です。著作権侵害を恐れて手を出さないのでは、大きな機会損失になるでしょう。新聞社から許諾を得るか、または著作権処理済みのクリッピングを使うか、正当な方法での記事活用を考えましょう。 (社員への著作権教育は「お悩み03」の回答をご参照下さい)
お悩み 13 |社員のみに配布する社内報に、自社が掲載された新聞記事などを載せるのは大丈夫でしょうか?(アパレル)
自社が発信したパブリシティに基づく記事であっても、その記事の著作権は新聞社側が持っていますので、無許諾コピーはできません。 社員のみに配布する場合でも、例外ではありません。社内の意識を高めるためにも、広報が率先して著作権を順守した運用を心がけましょう。
お悩み 10 |自社関係の新聞記事をPDF化してサーバーに保管しています。HPに掲載したり社内に回覧する目的ではなく、単純に「記録」として残すためです。将来、会社の「社史」を編纂するような場合に、その担当者が参照することがあるかもしれません。 この程度のPDF化でも許諾をとる必要がありますか?(化学)
新聞著作権協議会のホームページに、明快に書かれています。 「著作物を複写するには著作権のうちの複製権という権利が及びます。法律では私的使用のための複製は認められていますが、(略)企業・団体内でその業務に関連して著作物をコピーすることは私的使用の範囲には入らず、たとえ1枚のコピーでも著作権者の承諾が必要となります。」 無許諾でPDF化という複製を行っていることは、複製権の侵害になりますので、直ちに複製許諾を申請する必要があります。
お悩み 08 |紙媒体に自社記事が掲載さると、記事を執筆した記者に断った上で記事の写真を撮ってSNSへ載せている。本当はSNSだけでなく、ホームページにも掲載したい。しかし、HPへの掲載はコストもかかるので諦めてしまうのが現状だ。自社関連の記事についてはもうすこし簡単に載せる方法はありませんか。(国際協力団体)
新聞社・出版社などの所属する記者が執筆した記事は、本人ではなく新聞社側が著作権を持ちます。職務著作といいます。今回の相談では、記者の承諾だけでは不足で、やはり新聞社側と許諾の交渉をすべきだと思います。黙認されていると思っていても、決して見逃してくれているわけではありません。新聞社のウォッチが行き届いていないというのが実情でしょう。ホームページに自社の実績を報じる記事を載せることは、大きなPR効果を生みます。許諾を得ておけば、SNS、HPを絡めた露出も可能になります。「コスト」がどのくらいかかるのか、一度新聞社などと本腰を入れて交渉してみてはいかがでしょうか。
お悩み 04 |自社製品の掲載記事の社内での回覧 に制限を設けたところ、営業サイドから猛反発があった。掲載記事を営業のツールと思っているところがあり、著作権についての意識が希薄。 記事利用、ネット上の画像の引用など、著作権についての啓発を行いたいが、ビジネスの優先順位的にはかなり低く、広報だけではなかなか取り組みが進められない。社内の啓発や、営業が満足するような記事の利用方法はないか。(商社)
自社に関する記事やネット上の画像を営業ツールに使っているということは、違法コピーが社外(取引先)にも拡散され、著作権者(新聞社など)の目に触れる恐れもあるという、「コンプライアンス上の重大な危機」と言えるほどの事態です。許諾料を惜しんで、大きなリスクを背負うのは愚策です。 営業が使いたいと思うような記事は、広報が要望を取りまとめて新聞社から許諾を取る仕組みを作ったらいかがでしょうか。役員会などでその仕組みにお墨付きをもらえれば、堂々と展開できます。