お悩み 89|フィルムコミッションのロケ地情報などで、ロケ風景の写真を使用したい。どこまでが著作物?
【質問】
フィルムコミッションのロケ地情報などで、ロケ風景の写真を使用したい。大道具、美術品、装飾品、撮影スタッフも著作物といわれ、その都度確認しているところであるが、一般的には、どこまでが著作物の対象範囲となるのか?(地方自治体)
【回答】
著作権法では、著作物は「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」(第2条)と定義されています。
そのうえで、①小説、脚本、論文、講演その他②音楽③舞踊または無言劇④絵画、版画、彫刻その他⑤建築⑥地図または学術的な性質を有する図面、図表、模型その他⑦映画⑧写真⑨プログラム――の9種類が例示(第10条)されています。
これはあくまで“例”であって、①何らかの考えや気持ちが表れている②何らかの個性が表れている――などの要件を満たしていれば、著作物になり得ます。確認作業もなかなか大変なこととお察しいたします。
ご質問にもある通り「大道具、美術品、装飾品」は、映画撮影用にしつらえた著作物である可能性が高いですが、「撮影スタッフ」となるといかがでしょうか?
とはいえ、撮影スタッフには肖像権があります。また、俳優など有名人の顧客吸引力を利用してロケ地を宣伝したとなるとパブリシティ権の侵害にもなりかねません。これらは著作権とは別の権利ですが、その都度しっかり確認なさっているとのことですので、問題なさそうですね。