著作権Q&A

著作権のお悩みコーナー
お悩み 11 |広報部門として抑えるべき法律を学び、社内で周知していくことを課題としています。良い方法はありますか?(医薬品)
社内の著作権教育の「制度化」を考えてはいかがでしょうか。 ①社内研修のメニューに加える②まず社外の講師を迎え、ゆくゆくは広報部門の社員が講師となる③検定試験の費用を個人に補助する、または団体受検日を設けて一気に資格者を増やす、などの段階が考えられます。
お悩み 10 |自社関係の新聞記事をPDF化してサーバーに保管しています。HPに掲載したり社内に回覧する目的ではなく、単純に「記録」として残すためです。将来、会社の「社史」を編纂するような場合に、その担当者が参照することがあるかもしれません。 この程度のPDF化でも許諾をとる必要がありますか?(化学)
新聞著作権協議会のホームページに、明快に書かれています。 「著作物を複写するには著作権のうちの複製権という権利が及びます。法律では私的使用のための複製は認められていますが、(略)企業・団体内でその業務に関連して著作物をコピーすることは私的使用の範囲には入らず、たとえ1枚のコピーでも著作権者の承諾が必要となります。」 無許諾でPDF化という複製を行っていることは、複製権の侵害になりますので、直ちに複製許諾を申請する必要があります。
お悩み 09 |毎朝、購読紙のクリッピングを行なってファイリングしています。このファイルは自分の書類棚にあるのですが、役員や管理職が来て、ファイル内のクリッピング記事を読んでいき ます。この行為は著作権侵害になりますか。(計測器)
そのクリッピングが、新聞原紙を切り抜いてファイルする方法ならば、複製行為がありませんので、誰が閲覧してもOKです。ただし、クリッピングの段階でコピーしているとなると、閲覧者の範囲よりも、複製許諾をきちんと取っているか、が重要なポイントになります。
お悩み 08 |紙媒体に自社記事が掲載さると、記事を執筆した記者に断った上で記事の写真を撮ってSNSへ載せている。本当はSNSだけでなく、ホームページにも掲載したい。しかし、HPへの掲載はコストもかかるので諦めてしまうのが現状だ。自社関連の記事についてはもうすこし簡単に載せる方法はありませんか。(国際協力団体)
新聞社・出版社などの所属する記者が執筆した記事は、本人ではなく新聞社側が著作権を持ちます。職務著作といいます。今回の相談では、記者の承諾だけでは不足で、やはり新聞社側と許諾の交渉をすべきだと思います。黙認されていると思っていても、決して見逃してくれているわけではありません。新聞社のウォッチが行き届いていないというのが実情でしょう。ホームページに自社の実績を報じる記事を載せることは、大きなPR効果を生みます。許諾を得ておけば、SNS、HPを絡めた露出も可能になります。「コスト」がどのくらいかかるのか、一度新聞社などと本腰を入れて交渉してみてはいかがでしょうか。
お悩み 07 |メジャーどころの記事クリッピング の著作権はクリアしているが、どこまで対応すべきか。他社の事例を知りたい。(経理)
メジャー以外となると、地方紙、業界紙など中小規模の新聞でしょうか。各社ともクリッピング許諾の窓口はありますので、問い合わせてみることをお勧めします。定期的クリッピングの対象としていない新聞であれば、日本複製権センターで一括管理をしていますので、便利かもしれません。他社は必ずしも万全の態勢をとっているとは限りませんが、低いレベルに合わせて満足することなく、業界最先端のコンプライアンス態勢を整備して、おおいにPRされることが貴社の地位向上につながります。
お悩み 06 |パブリシティの掲載をそのまま弊社HPやSNSに載せても良いでしょうか?どこまでの情報であれば掲載を告知することが可能であるか、具体的な境界線を 教えてください。(企画ページ名と公式HPへのリンクであれば掲載可能、等)(ファッション)
ここでいう「パブリシティ」とは、新聞などのメディア、ニュースサイト、などのことだと思います。「○月○日の▲▲新聞で紹介されました」という告知はOKです。ただし、文章をコピペしたり、記事を写真撮りして載せたりするのは、著作権侵害となりますので、避けましょう。「××サイトの◇◇コーナーに載っています。URLは……です」という告知は、基本的には問題ありませんが、サイトによってはリンクを張る申請を求めているケースもありますで、注意してください。
お悩み 05 |HPを外注している業者から、新聞の論説記事で出典先を明記していれば転載の使用は問題ない、と聞いたが本当でしょうか。一律使用を認めていなかったのですが…。(医療)
新聞の論説記事は、他の新聞・雑誌への転載、放送、自動公衆送信などが可能です(著作権法39条)。しかし、転載禁止の表示がある場合はできません。社説の欄に「無断転載禁止」を表示している新聞社もありますので、注意しましょう。また、新聞協会の見解では「あくまでも各種メディアが『報道的な態様において』利用する場合にのみ許容されている」となっています。転載ではなく引用については、「報道・研究など正当な目的」「引用部分の明示」「引用部分が従」「出所の明示」などの条件を満たせば認められます。
お悩み 04 |自社製品の掲載記事の社内での回覧に制限を設けたところ、営業サイドから猛反発があった。掲載記事を営業のツールと思っているところがあり、著作権についての意識が希薄。 記事利用、ネット上の画像の引用など、著作権についての啓発を行いたいが、ビジネスの優先順位的にはかなり低く、広報だけではなかなか取り組みが進められない。社内の啓発や、営業が満足するような記事の利用方法はないか。(商社)
自社に関する記事やネット上の画像を営業ツールに使っているということは、違法コピーが社外(取引先)にも拡散され、著作権者(新聞社など)の目に触れる恐れもあるという、「コンプライアンス上の重大な危機」と言えるほどの事態です。許諾料を惜しんで、大きなリスクを背負うのは愚策です。 営業が使いたいと思うような記事は、広報が要望を取りまとめて新聞社から許諾を取る仕組みを作ったらいかがでしょうか。役員会などでその仕組みにお墨付きをもらえれば、堂々と展開できます。
お悩み 03 |社内の著作権に関する啓発について、情報誌やイントラでの注意喚起は行っていますが、他に何か有効な施策はないでしょうか。(保険業界)
著作権者側は、コンテンツ不正利用に対しての警告・法的措置を強めています。取締役会などで「著作権侵害の撲滅、コンプライアンスリスク軽減」を決議して社内浸透を図るのはいかがでしょうか。著作権に関する検定を人事評価に取り入れるという手もありますね。
お悩み 02 |新聞1紙しか購読していない場合、効率の良い回覧方法などありますか。(金属業界)
読んでほしい記事一覧を貼り付けて回覧する、などの方法もありますが、手間がかかりますね。また、購読部数を増やしても効率化できるとは限りません。登録したキーワードによって記事が配信されるクリッピングサービスが最もお勧めです。