著作権Q&A

著作権のお悩みコーナー
お悩み 41 |ネットニュース記事(無料)について見出し、数行の要約及びURLを記載し、社内メールで部内に配信することは問題になりますか?(製造)
見出しの無断複製については、権利侵害とされた判例もあります。さらに、記事の要約は著作権侵害の恐れが濃厚です。 そのニュースサイトの利用規約など確認したうえで、利用許諾を申請するようお勧めします。社内メールだから、部内のみの配信だから、といっても免責にはなりません。 URLの記載については、ニュースサイトのリンクポリシーを確認して、不当な利用にならないように注意してください。リンク利用に制限のある場合もあります。
お悩み 40 |地域の古い写真を社内報や販促物に掲載する際の権利関係はどのように確認したらよいでしょうか?(ホテル)
写真は、著作者の死後70年まで著作権保護の対象です。2018年12月30日施行改正著作権法により、長くなりました。撮影後70年ではありませんので、注意が必要です。 書物なのか、どこかで展示されたものなのか、その古い写真を発見した場所に詳しく問い合わせて、著作者の行方を確認して、本人や家族に連絡をとる必要があります。 どうしても著作者と連絡が取れない場合には、文化庁長官の裁定を受けて、補償金を供託したうえで利用する方法もあります。
お悩み 39 |他部署がメールで関係者(限定的)へ配布している記事等について、注意すべきか悩んでしまいます。(機械製造)
メールで配信しているのは、記事を撮影したイメージでしょうか、テキストとしてのコピーでしょうか。いずれにしても、無許諾での複製は著作権侵害となります。社内のみ、限定的な少人数、だとしても同様です。宛先のメーリングリストに知らずに部外者が含まれており、行為自体が漏洩する事もあり得ます。 新聞社への許諾申請、著作権処理済みのクリッピング、など正当な利用方法をぜひ伝えてあげてください。
お悩み 38 |官公庁が作成しているパンフレット、ガイドラインを利用して社内資料を作成する際、出典を記載すれば利用しても良いものでしょうか?(食品)
法令や、官公庁が発する告示・訓令・通達などは自由に利用できます。ただし、官公庁作成の白書、報告書、データベースなどは著作物と同様の保護を受けるため、転載禁止の場合もあり得ます。お尋ねのパンフレット、ガイドラインがどちらにあたるかの判断は、内容によって左右されるでしょう。該当官公庁に直接問い合わせるのがよろしいかと思います。
お悩み 37 |サウンドロゴなど音声で作るCMの音源元が、偶然か無意識かは、わかりませんが似たような音源が存在していた場合、著作権または知財権侵害に該当しますか?(保障)
偶然に同じ音源が存在していたら? どちらも著作物となり、作者は著作者となります。同じ発明をしても先に出願した者が優先するという「特許」の仕組みとは異なる点です。ただし、模倣して音源を作り発表した場合には「無許諾複製」という権利侵害になります。「偶然」と「故意」では、大きな違いがありますね。
お悩み 36 |他国の広報担当者はその国での掲載記事を平気でSNSに掲載しているのですが、日本ではもちろん行っていません。海外展開を行っている企業やグローバル企業での情報共有の仕方などを知りたいです。(広報)
「ベルヌ条約」「万国著作権条約」により、日本で発生した著作権は100以上の国で保護されます。しかし「何を著作物とするか」は国によって考え方が違います。 日本はベルヌ条約に1899年に加盟していますが、米国は1989年と日が浅く、それまでは(C)マークが無いと著作物として認められませんでした。また米国では「フェアユース」が著作権法で採用されており、著作権の制限に対する感覚が異なる場合もあります。 「その国の著作権者の権利を侵害していないか」の考え方に立てば、日本ではもちろん行っていません、という対応は正しいです。
お悩み 35 |プレスリリースから掲載されたパブリシティ記事の情報は、HPへリンク(URL)掲載はOKでしょうか?また イントラへの掲載、もしくは社内メールでの共有は可能ですか?(広告)
自社が発信したプレスリリースを利用したパブリシティ記事であっても、その記事の著作権は筆者側が持っていますので、無許諾コピーなどはできません。リンク掲載については、記事の載ったサイトのリンクポリシーなどを読んだうえで、不当な利用方法にならないように注意してください。 「リンクフリー」と書いてあればどこにURLを載せてもOKですが、「リンクの申請が必要」「商用利用は除く」などの条件がある場合も多いです。
お悩み 34 |著作権への対応として、特に注意すべき点や最近改定された点などがあれば知りたいです。(保険)
平成最後の年末・年始に改正著作権法が施行されました。主なポイントは、年末のTPP発効に伴う①著作物等の保護期間が著作者の死後50年から「70年」に延長②著作権等侵害罪の一部非親告罪化、です。 年始の改正法では③デジタル化・ネットワーク化の進展に対応した柔軟な権利制限規定の整備(AI学習などでの利用柔軟化、文章一部表示など軽微利用の緩和)です。また今後、学校の授業では、遠隔合同授業以外の公衆送信でも無許諾で利用できるようになるため、補償金制度が整備中です。 大原則である「無許諾複製は著作権侵害」は変わっていませんので、引き続き注意してください。
お悩み 33 |利用許諾権の申請先が不明な場合の対応はどのようにしたらよいでしょうか?(人材派遣)
申請先不明というのは、ネットで流れている出典元不明の写真や文章を指しているのでしょうか?基本的には、そのような出典元不明のコンテンツを複製・二次利用するのは、リスクが高く、避けた方がよさそうです。 地域に伝承される童謡などの場合は、文化庁の裁定制度を利用する方法があります。 文化庁のホームページに裁定実績のデータベースが公開されています。
お悩み 32 |会社HP、パンフレットをリニューアルした際、当社が手掛けた設備設計案件の建物の外観写真を掲載しています。 これまでは、建物オーナーに掲載許可を打診していましたが、実際のところ、許可の確認はどこまで必要でしょうか?(設計)
建物は、相当な芸術性がないと著作物としては保護されません。 仮に著作物であるとしても、屋外に設置された美術の著作物、建築の著作物については、写真撮影などの自由な利用が認められています(著作権法46条)。 HPやパンフレット用の撮影・掲載であれば問題ないと思いますが、相手先には一言お知らせをしておくのが適切だと思います。 敷地内での無断撮影や、著名表示の冒用など、知らずに別の権利侵害につながるおそれもあるからです。