著作権Q&A

著作権のお悩みコーナー
お悩み 71 |雑誌の目次のみを回覧するのはOKかどうか知りたいです。(化学)
雑誌の原書の目次ページを抜き取ったり、ページを開いた状態で固定するなどして、回覧する場合は、著作権上の問題はありません。一方、回覧用に目次ページのコピーを取ったり、回覧する代わりに人数分コピーして配布したり、スキャンして部署フォルダに格納するなどの行為は、(雑誌の目次は表現、選択、配列に創作性があると考えられますので)著作物の無許諾複製にあたり、問題があります。
お悩み 70 |大手新聞社のWEBサイト、あるいはWEBニュースサイトなどで公開されているニュース記事のURLを、社内メール等で社内共有することは著作権に抵触しますか。(社団法人)
記事のURLは、その記事の所在情報にすぎず、記事自体を複製することではありませんので、社内メールに転記しても著作権侵害にはなりません。 なお、大手新聞社ニュースサイトのリンクポリシーには、商品・サービスの宣伝勧誘など営利目的でのリンクや、出典を明記しないリンク、新聞社の信用を害する恐れのあるリンクなどは承諾しない旨が表記されていますので、確認しておくことをお勧めします。
お悩み 69 |国の機関(厚生労働省)の資料は、印刷して社内で配布や回覧しても問題はないでしょうか。(福祉)
国の機関のホームページ(HP)の資料という前提でお答えします。厚生労働省HPの利用規約を見ますと、「当ホームページで公開している情報は、どなたでも以下の1)~7) に従って、複製、公衆送信、翻訳・変形等の翻案等、自由に利用できます。」とあります。印刷は「複製」にあたりますので、1)~7)(出典の記載、適用外コンテンツなど。当該ページでご確認下さい)を守れば印刷できます。
お悩み 68 |掲載記事を遠隔授業で利用してもよいか?(大学図書館)
授業目的公衆送信補償金制度があります。学校が一定の補償金を支払うことで、授業において著作物を無許諾で公衆送信できます。コロナ禍の2020年4月に急きょ無償でスタートしましたが、2021年度からは補償金の徴収を開始しています。小学校120円、中学校180円、高校420円、大学720円(各1人あたり/年額)などです。
お悩み 67 |外部のWEBサイトの図表を引用する場合、サイト名や閲覧日、URLを記載する必要があることは知っているが、URLのリンクは切っておくべきなのでしょうか。リンクされた状態でも問題はないのでしょうか。(情報・通信業)
著作権法32条「引用」の要件を満たしていることを前提にお答えします。出典としてURLを記載する場合、リンクを切るか否かについては、定まったルールはないと思われます。リンクを張ること自体は著作権上の問題はありませんが、相手先サイトの利用規約等でリンクについての条件を確認し、それを遵守すべきでしょう。
お悩み 66 |記事の講演資料等への引用(コピペ)について教えて下さい。(不動産)
パワーポイント等のスライド資料を作成し会社関係の講演を行う場合を想定します。著作権法上の「引用」として記事を利用するには、①本文(自論)と引用部分とを明瞭に区別する②本文が主、引用部分が従である(量的・質的)③引用する必然性がある④改変しない⑤出典を明記する、の5点を満たす必要があります。また「おみやげ資料」として講演後に配布する場合、スライド資料全体ではなく、引用した記事部分だけをコピー配布するのは著作権者の許諾が必要と考えた方が良いでしょう。
お悩み 65 |掲載記事の二次利用は、担当記者などに口頭で承認をいただいただけの場合、使用して問題ないのでしょうか。(医療)
記者は通常、著作者でも著作権者でもありません。記者の所属する新聞社や出版社が著作者であり著作権者です。これを職務著作(法人著作)と言います。よって記者には、掲載記事の二次利用を許諾する権限はなく、会社(法務部門など)が判断することになります。また口頭でも契約(許諾)は成立しますが、曖昧性を回避するため、できるだけ書面で交わすべきでしょう。
お悩み 64 |例えば、自社で撮影した商業施設の写真を自社カタログにイメージ写真として使用したり、社員のプライベート写真を会社案内等に掲載する際、例えば、キャラクターのシャツを着ていた、権利は大丈夫かなどいつも悩みます。(化学)
①商業施設などの建物の写真の利用については、著作権よりも、商標権や不正競争防止法への注意が必要です。商業施設を表すロゴマークだけでなく、特徴的な外観自体が商標登録されている場合があります。また商業施設の持つ誘客力にフリーライドしていると見なされることもあり得ます。②いわゆる「写り込み」に関しては、平成24年著作権法改正に加え、令和2年法改正でも適法に利用できる範囲が広がりました。正当な範囲内の利用であれば、ご心配に及びません。
お悩み 63 |著作権を所有していれば、仮に二次使用などにあたって、そのキャラクター名などは商標や意匠の登録は別途必要ないと考えてよいのでしょうか。(広告)
著作権の対象は「文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」であり「創作的に表現した」ものです。 キャラクター名や、単純なアルファベットのロゴマーク、工業製品のデザインなどは、著作権の保護対象になりにくいのです。 商標や意匠の登録で保護した方がよいでしょう。
お悩み 62 |社内会議で、自社に関係ある新聞記事を紹介する際に、会議室の前に出て新聞紙自体を見せていますが、このことは問題ないと思っています。今後は、離れている人にも見やすいように、スキャンしてプロジェクタに投影出来ればと考えていますが、違法になるのでしょうか。(輸送機器)
新聞原紙自体を、会議参加者の前で見せたり回覧したりすることは、著作権上の問題はありません。プロジェクタに投影する場合、スキャンした時点で無許諾複製となります。ではカメラで原紙を直接とらえてライブ投影する場合は?不特定多数や多人数に対して行うと「上映権」に抵触します。複製を行わなくても著作権侵害になり得るケースですので留意してください。