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【ELspot+】 2025年こそ始めたいインナーブランディングの進め方 ~ブランドコンサルタント黒田様に聞く、社内広報の成功と失敗~

【本日の流れ】

1:セミナー:「インナーブランディングの本質とやるべきこと」

ゲスト講師:株式会社揚羽 ブランドコンサルティング部

執行役員/ブランドコンサルタント 黒田 天兵 氏



2:グループディスカッション:「自社でのインナーブランディングの取り組みと手法について」


3:参加者の感想

【背景】

 いま、企業における「インナーブランディング」が注目されています。

 インナーブランディングとは、企業理念やビジョン、パーパスなどを社員に浸透させ、組織としての一体感やエンゲージメントを高めるための取り組みです。

 インナーブランディングが重視される背景には、企業価値向上における人的資本の重要性が増してきたことがあります。

 働く人びとの意識や価値観が多様化する中で、社員一人ひとりの働く意欲や組織への共感、また、他社にはない従業員体験が、企業の創造力や競争力を高めて企業価値を向上させることにつながります。

 その意味で、インナーブランディングは単なる一つの施策ではなく、重要な経営戦略そのものといえるでしょう。

2月の交流勉強会では、数多くの企業でインナーブランディングを手掛けてきた株式会社揚羽の黒田天兵氏をお招きして、インナーブランディングの意義や進め方、成果指標(KPI)の考え方などについて体系立ててお話しいただきました。

 後半のグループディスカッションでは、自社での取り組みや手法、課題について共有・議論しました。本レポートでは、セミナーの概要、ディスカッション内容、および、参加者の方々の感想をお届けします。

 

【本日の交流勉強会】

1:セミナー:「インナーブランディングの本質とやるべきこと」

ゲスト講師:株式会社揚羽 ブランドコンサルティング部
執行役員/ブランドコンサルタント 黒田 天兵 氏


◆著書:ストーリーでわかるエンゲージメント入門 組織は「言葉」から変わる。

 
【主な内容】
1)インナーブランディングとは何か

  • 企業理念や方針などの「組織の生存戦略」を、“社員の振る舞い(行動)に変化が出るまで”浸透させる取り組み
  • インナーブランディングの最終目的は「利益率の向上」

2)インナーブランディングを、どう進めればいいか

  • STEP1:インナーブランディングは「言葉づくり」から始まる
    • 企業理念、パーパス(存在理由)、バリュー(提供価値)などを“言語化”する。
    • その際、言葉づくり(言語化)のプロセスに社員を「巻き込む」のが効果的。
  • STEP2:言語化した言葉を社内に「浸透」させる
    • 言葉を認知させるだけでなく、“理解・共感”させ、社員の“行動変化”につなげ、組織に“定着”させる仕組みを作る。
  • STEP3:社員同士の「相互理解」を促す
    • 行動が変化した社員同士が、気づきを“共有”し合う場(対話の場)を作る。
    • 社員の気づきを、経営にフィードバックする。
    • 対話から新しい言葉が生まれ、新たなSTEP1が始まる(サイクル)。

3)インナーブランディングの浸透度合いには、4つのレベル(段階)がある

  • レベル1:浸透すべきメッセージ(言葉)は完成したが未成熟な段階
  • レベル2:言葉が認知・理解されているが、共感にまでは至っていない段階
  • レベル3:言葉への共感が生まれ行動が変化しているが、気づきを共有する場がない段階
  • レベル4:気づきが社内で共有されているが、社外までには認識(発信)されていない段階

4)インナーブランディング施策には、2つの種類がある

  • ファンクショナルな施策:研修などの仕組み・制度を作る(主に人事・総務の仕事)
  • エモーショナルな施策:講演などで熱く語る・映像化する(主に経営企画・広報・宣伝の仕事)
  • 両方の施策を連携して実施することが効果的

5)広報として取り組むインナーブランディングのステップ

  1. 会社の様々な部署が掲げる「方針」や「コンセプト」を、“社内浸透”させる
  2. 社内浸透の結果、動き出した「人」や「プロジェクト」をピックアップして“社内広報”する
  3. 活動内容や成果を“社外発信”して企業のブランド評価を高め、利益率改善に貢献する

 

2:ディスカッション:「自社でのインナーブランディングの取り組みと手法について」

 後半は、グループに分かれ、自社でのインナーブランディングの取り組みや手法、実践事例について情報共有し、ディスカッションをしました。

 ディスカッションでは、下記のような話題・意見が出ました。

 

  • インナーブランディングは、あくまで手段であるため、「何のためにインナーブランディングをするのか」という目的や理想をきちんと明確にした上で施策を講じ、それに合った効果を測定することが重要だ。
  • インナーブランディングの目的は、決して、会社(社長)の考え方を社員に押し付けるものではない。社長をはじめとする経営陣と現場で働く一人ひとりをいかに「共感」で結び付けるか、が大事。
  • 「社外広報(アウター)」と「社内広報(インナー)」が密接に結びついていることが理解できた。インナーブランディングとは、社内広報と社外広報を連携させる取り組みでもあると思う。
  • 「一体感を作る」といっても、社員は一様ではない。現場もあればバックオフィスもある。日本人もいれば外国人の社員もいる。そのため、インナーブランディングを進めるにあたっては、一人ひとりの社員の違いを意識した取り組みが重要だと思う。
  • 会社が急拡大やM&Aをした時こそ、「インナーブランディング」の重要性や意義が出てくる。

 

3:参加者の感想

最後に、今回の交流勉強会全体(セミナー&ディスカッション)を振り返り、参加者から次のような感想がありました。

  • インナーブランディングやエンゲージメントということに関して、どのように考えて行動していけばいいか悶々としていたので、とても参考になる情報収集と共有ができました。
  • インナーブランディングの本質を改めて考える機会になりました。つい具体的な手法と目先のKPIを意識しがちなため、最終目的は利益の向上であること、そして、それらを体現する社員の行動変容に働きかける仕組みとエモーショナルな体験を両軸で回していくことの重要性を理解することができました。
  • もう少し話を伺いたいくらい、興味深いお話しでした。固く考えすぎず、周りの広報部員と語り合うことから始めたいと思います。
  • このところ前例踏襲型の社内広報が続いていたため、自社のインナーブランディングがどの段階にあるかを振り返りつつ、改めて注力すべきところを見直した活動をしていきたいと思います。
  • インナーブランディングを進める上でのスタッフの役割についてよく理解できました。インナーブランディングの全体像をイメージしつつ、具体的に取り組んでいきたいと思います。
  • 具体的な事例や手法、実際に行っている内容をシェアできて、とても参考になりました。他社の取り組みや課題を具体的に教えていただく中で、自社でも検討・実施できそうなアイデアもあり、実際の業務に役立てられそうです。


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