【ELspot+】 戦略的メディアアプローチとは?テレビ露出につながる広報 ~U-NEXT HOLDINGSの挑戦と成功へのステップ~

【本日の流れ】
1:セミナー:戦略的メディアアプローチとは?テレビ露出につながる広報
~U-NEXT HOLDINGSの挑戦と成功へのステップ~
スピーカー:株式会社U-NEXT HOLDINGS
広報部長 滝口 未来 氏/広報部 櫻井 陽奈子 氏、飯岡 真帆 氏
2:グループディスカッション:自社の 「戦略的メディアアプローチ」の現状と課題
3:参加者の感想
【背景】
広報活動においては、単なるメディアとの関係構築ではなく、広報目標を明確化した上で、メディアの特性を理解し、ターゲット層に合致した効果的なメッセージを適切なタイミングで発信する「戦略的メディアアプローチ」が必要となります。
また、社内における経営陣との連携、広報担当者の行動力、そして何より、日頃のコミュニケーションを通したメディアとの信頼関係の構築が重要です。
1月の交流勉強会では、昨年来、テレビ経済番組をはじめ、雑誌やWEBニュースなど、数多くのメディアに登場されている株式会社U-NEXT HOLDINGSの広報部長・滝口未来氏、広報部・櫻井陽奈子氏・飯岡真帆氏をお招きし、同社の広報方針や体制、「戦略的メディアアプローチ」の考え方や進め方をうかがいました。
その上で、同社が取材の際に実際に行った広報対応や社内調整などのリアルな裏側についてもお話しいただきました。
後半では、参加者がグループに分かれ、「戦略的メディアアプローチ」についてディスカッションを行いました。
本レポートでは、セミナーの概要、ディスカッション内容、および、参加者の方々の感想をお届けします。
【本日の交流勉強会】
1:セミナー:戦略的メディアアプローチとは?テレビ露出につながる広報
~U-NEXT HOLDINGSの挑戦と成功へのステップ~
スピーカー:株式会社U-NEXT HOLDINGS
広報部長 滝口 未来 氏/櫻井 陽奈子 氏、広報部 飯岡 真帆 氏
【主な内容】
1)U-NEXT HOLDINGSの会社概要・事業内容
2)広報方針・目標~現状の課題認識
- 広報の定義:企業と社会がより良い関係を構築するコミュニケーション活動
- 広報部のミッション:企業価値の向上
- 広報部の目標:量 < 質(「記事掲載数」より「記事内容」を重視)
自分たちが伝えたいことを表現してもらえているか
その記事が広く伝わっているか
3)広報戦略~U-NEXT HOLDINGSの「戦略的メディアアプローチ」
ステップ①:メディアを知る
- 媒体ごとの特徴・内容、重視テーマ、ターゲット層などを分析・研究する
ステップ②:広報方針に沿ったネタ集め
- 経営陣との意識合わせ、関連部署との連携が重要
ステップ③:タイミングにあわせて情報提供
- 自社の方針だけではなくメディアのニーズにあわせたタイミングで発信する
4)TVドキュメンタリー/報道番組の取材・撮影対応の裏話
①企画段階
- 自社の事業・サービス内容をプレゼンし、番組サイドがストーリー・構成を作成
②企画調整
- 取材先候補となる社内各部門、顧客、取引先などへの出演調整
③取材・撮影対応
- 社長インタビュー、街頭インタビュー、社内イベント、地方ロケ、スタジオ撮影など取材・撮影現場への同行・同席
④自社提供素材準備・事実確認
- 使用する社内素材の収集、使用許諾。事実確認は重要数字のみ
⑤放送後の副次効果
- 放送を見て、自社への理解が深まった状態で取材にお越しいただけるようになった
- テレビ番組がきっかけで、新たな取材につながった
- 放送終了後に、WEBニュースなどへの二次露出があった
5)広報として大切にしていること
アクションが次のご縁につながる
- メディアを知り、方針を決めたら、「まずは、アクション!」
日頃からメディアとの信頼関係を
- 「即レス」を意識・実行する
- 定期的な情報交換をする(雑談も大事)
- 自分の信頼が会社の信頼になる
2:ディスカッション:自社の 「戦略的メディアアプローチ」の現状と課題
後半は、グループに分かれ、自社の状況や課題を踏まえて、「戦略的メディアアプローチ」についてディスカッションをしました。ディスカッションでは、下記のような話題・意見が出ました。
《現状で工夫していること》
- 「何を発信するか」(テーマ)だけでなく、「誰が発信するか」(=誰を取材してもらうか)も重視している。たとえば、話の上手い経営者やユニークな経歴を持つ役員に積極的に出てもらうなど、「人」にフォーカスした広報戦略を立てている。
- 社内の複数の既存ネタ(テーマ)を“掛け合わせ”たり、「世の中のトレンドワード」と「自社リソース」を紐づけて考えることで、新しい広報ネタが見えてくる。
- 広報組織の位置づけを、それまでの管理部門の一部署から、社長直轄の部署に変更した。
- アパレル企業のため、情報発信のタイミングは、「季節性」(春夏秋冬)や「シーズン性」(入社シーズン、卒業シーズンなど)を考慮している。
- テレビ局へのアプローチ方法としては、テレビ局に入っている「リサーチ会社」や(番組のテロップに出てくる)「番組制作会社」にアプローチする方法もある。
《課題と考えていること》
- ベテラン広報が多いため、経験値が高い分、属人的になりがち。客観的視点からの戦略的アプローチが必要だと思う。
- 現状では、取材依頼に対して応えるという「受け身なアプローチ」が多い。メディアの特性を分析・理解した上で「自ら仕掛けるアプローチ」を行っていきたい。
- 経営幹部との信頼関係が非常に重要であることを再認識した。
- 自社だけで考えるのではなく、他社広報とのつながりの中で生まれるテーマもある。他社広報との交流を大切にしていきたい。
3:参加者の感想
- メディアアプローチの方法を知ることができて大変勉強になりました。狙いたいメディアの分析など、戦略を持った広報活動を弊社でも行いたいと思います。
- 異業種・異業界における広報の考え方や活動内容を聞くことで、これまで自社で考えたことのないようなアプローチがあり、新たな発見につながりました。
- U-NEXT HOLDINGSの組織体制や広報戦略、アプローチ方法を知るだけでなく、ご自身の経験から広報として大事にしているポイントなど具体的なお話を聞けて、非常に学びになりました。
- テレビ番組に取り上げていただく際の広報対応について、具体例をあげて詳しく説明いただき、テレビへのアプローチ方法が見えてきた気がします。
- エネルギッシュな広報活動の話を聞くことができ、自らアクションを起こし、人とつながる重要性を改めて感じました。
