新聞や雑誌記事の利用と著作権について、ユーザのよくあるお悩みをまとめました。

お悩み01

社内メールを使って、新聞掲載日や新聞の掲載内容を抜粋した文書を流しても良いものでしょうか。(金属業界)

「○月×日の△△新聞に、我が社の新製品□□が紹介されました。みなさん読んでおいてください」という程度の内容なら問題ありません。
記事内容コピー・要約・撮影して添付、などの行為となると、無許諾ではできません。

お悩み02

新聞1紙しか購読していない場合、効率の良い回覧方法などありますか。(金属業界)

読んでほしい記事一覧を貼り付けて回覧する、などの方法もありますが、手間がかかりますね。また、購読部数を増やしても効率化できるとは限りません。
登録したキーワードによって記事が配信されるクリッピングサービスが最もお勧めです。

お悩み03

社内の著作権に関する啓発について、情報誌やイントラでの注意喚起は行っていますが、他に何か有効な施策はないでしょうか。(保険業界)

著作権者側は、コンテンツ不正利用に対しての警告・法的措置を強めています。取締役会などで「著作権侵害の撲滅、コンプライアンスリスク軽減」を決議して社内浸透を図るのはいかがでしょうか。著作権に関する検定を人事評価に取り入れるという手もありますね。

お悩み04

自社製品の掲載記事の社内での回覧に制限を設けたところ、営業サイドから猛反発があった。掲載記事を営業のツールと思っているところがあり、著作権についての意識が希薄。 記事利用、ネット上の画像の引用など、著作権についての啓発を行いたいが、ビジネスの優先順位的にはかなり低く、広報だけではなかなか取り組みが進められない。社内の啓発や、営業が満足するような記事の利用方法はないか。(商社)

自社に関する記事やネット上の画像を営業ツールに使っているということは、違法コピーが社外(取引先)にも拡散され、著作権者(新聞社など)の目に触れる恐れもあるという、「コンプライアンス上の重大な危機」と言えるほどの事態です。許諾料を惜しんで、大きなリスクを背負うのは愚策です。 営業が使いたいと思うような記事は、広報が要望を取りまとめて新聞社から許諾を取る仕組みを作ったらいかがでしょうか。役員会などでその仕組みにお墨付きをもらえれば、堂々と展開できます。

お悩み05

HPを外注している業者から、新聞の論説記事で出典先を明記していれば転載の使用は問題ない、と聞いたが本当でしょうか。一律使用を認めていなかったのですが…。(医療)

新聞の論説記事は、他の新聞・雑誌への転載、放送、自動公衆送信などが可能です(著作権法39条)。しかし、転載禁止の表示がある場合はできません。社説の欄に「無断転載禁止」を表示している新聞社もありますので、注意しましょう。また、新聞協会の見解では「あくまでも各種メディアが『報道的な態様において』利用する場合にのみ許容されている」となっています。転載ではなく引用については、「報道・研究など正当な目的」「引用部分の明示」「引用部分が従」「出所の明示」などの条件を満たせば認められます。

お悩み06

パブリシティの掲載をそのまま弊社HPやSNSに載せても良いでしょうか?どこまでの情報であれば掲載を告知することが可能であるか、具体的な境界線を教えてください。(企画ページ名と公式HPへのリンクであれば掲載可能、等)(ファッション)

ここでいう「パブリシティ」とは、新聞などのメディア、ニュースサイト、などのことだと思います。「○月○日の▲▲新聞で紹介されました」という告知はOKです。ただし、文章をコピペしたり、記事を写真撮りして載せたりするのは、著作権侵害となりますので、避けましょう。「××サイトの◇◇コーナーに載っています。URLは……です」という告知は、基本的には問題ありませんが、サイトによってはリンクを張る申請を求めているケースもありますで、注意してください。

お悩み07

メジャーどころの記事クリッピングの著作権はクリアしているが、どこまで対応すべきか。他社はどうしているのか知りたい。(経理)

メジャー以外となると、地方紙、業界紙など中小規模の新聞でしょうか。各社ともクリッピング許諾の窓口はありますので、問い合わせてみることをお勧めします。定期的クリッピングの対象としていない新聞であれば、日本複製権センターで一括管理をしていますので、便利かもしれません。他社は必ずしも万全の態勢をとっているとは限りませんが、低いレベルに合わせて満足することなく、業界最先端のコンプライアンス態勢を整備して、おおいにPRされることが貴社の地位向上につながります。

お悩み08

紙媒体に自社記事が掲載されると、記事を執筆した記者に断った上で記事の写真を撮ってSNSへ載せている。本当はSNSだけでなく、ホームページにも掲載したい。しかし、HPへの掲載はコストもかかるので諦めてしまうのが現状だ。自社関連の記事についてはもうすこし簡単に載せる方法はありませんか。(国際協力団体)

新聞社・出版社などの所属する記者が執筆した記事は、本人ではなく新聞社側が著作権を持ちます。職務著作といいます。今回の相談では、記者の承諾だけでは不足で、やはり新聞社側と許諾の交渉をすべきだと思います。黙認されていると思っていても、決して見逃してくれているわけではありません。新聞社のウォッチが行き届いていないというのが実情でしょう。ホームページに自社の実績を報じる記事を載せることは、大きなPR効果を生みます。許諾を得ておけば、SNS、HPを絡めた露出も可能になります。「コスト」がどのくらいかかるのか、一度新聞社などと本腰を入れて交渉してみてはいかがでしょうか。

お悩み09

毎朝、購読紙のクリッピングを行なってファイリングしています。このファイルは自分の書類棚にあるのですが、役員や管理職が来て、ファイル内のクリッピング記事を読んでいきます。この行為は著作権侵害になりますか。(計測器)

そのクリッピングが、新聞原紙を切り抜いてファイルする方法ならば、複製行為がありませんので、誰が閲覧してもOKです。ただし、クリッピングの段階でコピーしているとなると、閲覧者の範囲よりも、複製許諾をきちんと取っているか、が重要なポイントになります。

お悩み10

自社関係の新聞記事をPDF化してサーバーに保管しています。 HPに掲載したり社内に回覧する目的ではなく、単純に「記録」として残すためです。将来、会社の「社史」を編纂するような場合に、その担当者が参照することがあるかもしれません。 この程度のPDF化でも許諾をとる必要がありますか?(化学)

新聞著作権協議会のホームページに、明快に書かれています。 「著作物を複写するには著作権のうちの複製権という権利が及びます。法律では私的使用のための複製は認められていますが、(略)企業・団体内でその業務に関連して著作物をコピーすることは私的使用の範囲には入らず、たとえ1枚のコピーでも著作権者の承諾が必要となります。」 無許諾でPDF化という複製を行っていることは、複製権の侵害になりますので、直ちに複製許諾を申請する必要があります。

お悩み11

自社では、著作権を含めて広報部門として抑えるべき法律を学び、社内で周知していくことを課題としています。良い方法はありますか?(医薬品)

社内の著作権教育の「制度化」を考えてはいかがでしょうか。
①社内研修のメニューに加える ②まず社外の講師を迎え、ゆくゆくは広報部門の社員が講師となる ③検定試験の費用を個人に補助する、または団体受検日を設けて一気に資格者を増やす、
などの段階が考えられます。

お悩み12

契約終了したタレントが出演している過去のCMの扱いが分かりません。広告主企業の判断だけで利用OKでしょうか。タレント事務所、制作会社への確認も必要なのでしょうか。(OA機器)

CMを含めて、映像作品には当然ながら著作権が発生しています。
「ホットライン テレビ番組著作権」では、「テレビ番組は脚本や音楽といった様々な著作物の集合体とも言えます。例えばドラマ番組は、原作や脚本、俳優が行った演技、音楽などの著作物によって構成されています。ですので、番組を使用する場合にはテレビ局だけでなく、これら著作物の著作権を持つ人・会社からも許諾を得る必要があります」となっています。
このCMの場合は、だれが著作権者なのか、CM作成時の契約書などで確認し、必要なら利用許諾をとらなければならないでしょう。

お悩み13

社員のみに配布する社内報に、自社が掲載された新聞記事などを載せるのは大丈夫でしょうか?(アパレル)

自社が発信したパブリシティに基づく記事であっても、その記事の著作権は新聞社側が持っていますので、無許諾コピーはできません。
社員のみに配布する場合でも、例外ではありません。社内の意識を高めるためにも、広報が率先して著作権を順守した運用を心がけましょう。

お悩み14

テレビの取材を受け、自社のHPに「○○テレビの○○番組(番組名)で当社の新商品○○が紹介されました」と文字情報として掲載することは、著作権上問題はないですか。取材を受けた番組制作側に掲載許諾を得る必要がありますか。(食品)

番組の内容を簡単な文字情報で掲載することは問題ありません。番組製作者に許諾を取る義務もありませんが、マナーとしては一言お知らせしておく方がいいと思います。
ただし、一字一句を文字に起こしたり、映像を掲載することは、無許諾複製にあたりますので避けてください。

お悩み15

記事の転用はどこまでOKでしょうか。(メーカー)

新聞・雑誌などの記事は著作物であり、著作権保護の対象です。無許諾での転用はできません。複製、加工、改変、翻訳、PDF化、配信などを含みます。
引用については、目的が正当、引用部分が明確、引用部分が従、などの要件があります。
また、ごく限られた範囲で許諾が不要な場合もあります。家庭内での私的利用などです。

                    

お悩み16

作成した広告の著作権は自社(=広告制作者)にあると思いますが、他企業のキャラクターを登場させていた場合には、広告の著作権の帰属はどうなりますか。(広告)

広告全体の著作権の帰属については、広告主、作成者、キャラクター権利者などで散在する状態を避けるには、契約時に決めるしかないと思いますが、そこまで契約に盛り込むのは大変かもしれません。
問題になるのは再利用時、2次利用時、などではないかと思いますので、その場合の利用ルール(申請方法、利用料など)を決めておけばいいのではないかと思います。

                    

お悩み17

PRのコンテンツを作る際に、出処のわからない写真を持ってこられて、それを使うように要請される場合があります。(情報)

著作権フリーのサイトから自分のブログへ画像を転載した人が画像の販売会社からライセンス料の請求を受けた、という例があります。
著作権フリーのはずが、著作権処理を全く行っていなかったサイトだった、というわけです。持ち込まれた画像の出処は慎重に確認しましょう。
画像データ自体を元に、関連情報を検索するサービスもあります。

 

お悩み18

以下のように、社内メールで周知することは著作権上問題はあるのでしょうか。(保険) ○月×日の△△新聞に、「○○○○○○○○○○○○」という見出しで当社の記事が掲載されました。 また、電子版でも掲載されていますので、ご覧ください。 URL: http://www.*********

「新聞の見出しにも著作権がある」と主張している新聞社もあります。見出しを複製して継続的に社内メールしているのであれば、新聞社に申請する方が良いと思います。見出しを使わずに記事の簡単な概要を書くのであれば問題はないでしょう。 電子版記事のURLをメール周知するなら、各新聞社のサイト(リンクポリシーなど)を確認してください。リンクを張る場合の申請を求めているサイトもあります。

                    

お悩み19

自社及び業界記事を社内に知らせることと著作権のバランスを、どうとったらよいか。社員への著作権教育の方法も知りたい。(電機)

自社・業界記事を社内でスピーディに共有することは重要です。著作権侵害を恐れて手を出さないのでは、大きな機会損失になるでしょう。新聞社から許諾を得るか、または著作権処理済みのクリッピングを使うか、正当な方法での記事活用を考えましょう。 (社員への著作権教育は「お悩み03」の回答をご参照下さい)

                    

お悩み20

企画書で、フリーペーパーや雑誌を利用して広報することを説明する際、記事を全部掲載するわけではないですが、イメージしてもらうために、該当するフリーペーパーの記事部分をスキャンして載せても問題ないでしょうか。また、それらの表紙をスキャンまたは撮影して、掲載することは、どうでしょうか。(財団)

社外に出す企画書、という前提でお答えします。フリーペーパー側が、「広く告知してほしいので、スキャン・掲載はOK」と言ってくれれば問題ありません。問い合わせをしてみてください。
また、表紙だけでも著作物にあたりますので、記事部分と同じく掲載の許諾が必要です。
(※平成24年の法改正「検討の過程における利用」で、社内で検討するために試作する企画書の段階では、将来的に著作権者の許諾を取る前提であれば、一定の限度で掲載OKとなる場合があります。ただしそのまま許諾なく企画書を社外に出せばアウトですので注意が必要です)

                    

お悩み21

ドラマや映画へ自社製品のリースや取材対応をした場合、放映日前にHPやSNSで告知を行うことは可能ですか。放映後、スクリーンショット画像を同様に掲載することは可能ですか。(ファッション)

ドラマに登場した製品を事前にPR告知できるかどうか。ドラマの「ネタバレ」になってしまう可能性があるので、制作者側も認めにくいかもしれません。
「問い合わせてみてOKと言われたら実施する」という姿勢でいいと思います。
放映後の画像掲載は、出演者などの著作権・肖像権が絡むので、これも問い合わせが必須です。

                    

お悩み22

雑誌インタビュー記事などを社内で情報共有したい。いい方法はありますか?(製造機械)

自社幹部がインタビューを受けた記事などは、ぜひ広く社内で共有したいですね。自分の会社が何を目指しているのか、浸透させる意味も大きいです。
新潟のメーカーが、自社の画期的取り組みを全国紙経済面で取り上げられた時、その新聞社から複写の許諾を取った上で500部をコピーし、取引先や見込客に配って成果を挙げたそうです。
きちんと許諾を取れば、大手を振って世の中にPRできます。
ぜひ見習いたいですね。

お悩み23

著作権を無視した記事の利用(転記、社内配布など)での罰則、事例などがあれば教えてください。(証券)

週刊誌の記事を、スキャンしたうえで庁内LANに掲載し、多くの職員が閲覧できる状態にした、という例がありました。 記事の筆者側から提訴され、電子書籍として販売された場合の利益などを計算し、損害賠償命令が出されています。
ある団体では、無断コピー回覧が発覚し、新聞社から改善を求められても担当者が無視を続けていた、というケースがあります。 新聞社では団体の幹部と直談判に及び、さかのぼっての許諾料支払いという結果となりました。
無許諾のコピー・スキャンはもちろんNGですが、発覚した後も適切な措置をとらないと、さらに傷を広げてしまいます。

お悩み24

掲載された記事を記事が読めない程度に写真で撮ってfacebook等のSNSにUPすることはNGでしょうか。(ファッション)

記事が読めない程度とはどのくらいでしょうか?見出しの文字も判別できない、何らかのページであることがわかるくらいの粗さでしょうか?
PRする目的であるからにはそうはいかないでしょう。やはり著作物としての記事の内容がわかる程度になっていると思います。
となれば、無許諾での転載は著作権侵害と言わざるを得ません。許諾を取られるようお勧めします。

お悩み25

自社の幹部が個人のFBなどで取材記事の写メを大きく撮影し、著作権のことをまったく考えずアップしてしまいます。そして、記事と著作権のことを何度説明しても、同じことを繰り返されてしまうのですが、どのように対応したらよいでしょうか?(人材派遣)

個人のフェイスブックページであっても、公開している場合は私的使用にはあたらないため、著作権侵害となります。
たとえ記事の内容がご本人のインタビューであっても、著作権は記事を作成した側に帰属するからです。
ご本人には、「お悩み23」の事例を示すなどし、リスクを冒していること、ライバル社の目に触れる可能性もあることを認識していただくのがよいかと思われます。

お悩み26

著作権は媒体によって違うと思いますが、コーポレートサイトやSNSにアップする際など、どこまでOKなのかを教えてください。(広告)

どこに載せるかによって、確かに著作権侵害の条件は変わることがあります。
サイトやSNSの場合は、記事などを撮影してアップすることによって、複製権のみならず公衆送信権の侵害となります。
「どこまでOK」ではなく、「撮影・アップはすべてNG」と考えた方が安心です。

お悩み27

著作権について意識を高める簡単な方法はないでしょうか。(教育)

「簡単な方法」は、なかなかありません。 ①早期からの教育(新人研修など)②繰り返し教育(定期的な講習開催など)、が王道でしょう。 また社員のモチベーションと絡めて、③著作権関係の検定合格を評価の1項目として採用する④専門家を招いた社内著作権セミナーに参加したレポートを昇格条件とする、などの方法もあります。 外部サービスをうまく使えるといいですね。

お悩み28

セミナーなどで、WEBニュースサイトの記事を閲覧しながらスクリーンに映し出すのはだめでしょうか。(コンサルタント)

そのニュースサイトが会員制である場合は、映写して不特定多数に閲覧させるのは利用規約違反になるでしょう。
だれでも見られる部分であれば許容範囲かとも思いますが、著作権法では厳密には、著作物の映写は「上映権」という保護されるべき権利の対象となっています。
映写するものによっては、ニュースサイト側へのお知らせをした方がよさそうです。

お悩み29

毎日送られてくる記事のリストをエクセルで加工しやすいよう、コンマ区切りなどのフォームにできれば助かるのですが・・・(製造)

ELNET会員規約では、提供するデータについて複製、加工、改変、送信、転載、電子データ保存などは禁止となっています。
エクセルで加工しやすく、というご要望は承りましたが、ご自分で手を入れるのはご遠慮ください。データ提供方法については、ELNET側で改善の余地がないか、常に検討しております。
「こんな工夫はできないか」などのご要望は、遠慮なくお申し付けください。

お悩み30

Facebookで新聞社の記事のシェアはOKでも、そのテキストのみをサイトで使用するのはNGですよね。記事利用の許諾範囲については、よくわからない部分があるので、わかりやすいマニュアルがあるとたすかります。(農業関連)

ニュースサイト側が記事にFacebookやTwitterのシェアボタンをつけている場合は、拡散を希望しているというサインですので、どんどんシェアして結構です。
ただし、テキストをコピーして掲載するなどは、許諾がなければ著作権侵害となってしまいます。
書店の著作権法関係の棚に、わかりやすい解説本が並んでいますので、一読をお勧めします。
バックナンバーとなりますが雑誌「広報会議」2017年4月号では、「その著作権、大丈夫? Q&A」のタイトルで、広報の現場の疑問に答えた特集が掲載されていますので、ご参考にしてください。

お悩み31

記事の二次利用について、営業的な利用と学術的な利用だと利用の制限に違いがありますか?(PR)

教科書への掲載、授業の教材に利用、入試に利用、図書館での複製、など学術的使い方では、著作権者の許諾なく利用できる範囲が広くなっています。
それに比べると営業的な利用では条件が厳しくなっているのが一般的です。

お悩み32

会社HP、パンフレットをリニューアルした際、当社が手掛けた設備設計案件の建物の外観写真を掲載しています。これまでは、建物オーナーに掲載許可を打診していましたが、実際のところ、許可の確認はどこまで必要でしょうか?(設計)

建物は、相当な芸術性がないと著作物としては保護されません。
仮に著作物であるとしても、屋外に設置された美術の著作物、建築の著作物については、写真撮影などの自由な利用が認められています(著作権法46条)。
HPやパンフレット用の撮影・掲載であれば問題ないと思いますが、相手先には一言お知らせをしておくのが適切だと思います。
敷地内での無断撮影や、著名表示の冒用など、知らずに別の権利侵害につながるおそれもあるからです。

お悩み33

利用許諾権の申請先が不明な場合の対応はどのようにしたらよいでしょうか?(人材派遣)

申請先不明というのは、ネットで流れている出典元不明の写真や文章を指しているのでしょうか?基本的には、そのような出典元不明のコンテンツを複製・二次利用するのは、リスクが高く、避けた方がよさそうです。
地域に伝承される童謡などの場合は、文化庁の裁定制度を利用する方法があります。
文化庁のホームページに裁定実績のデータベースが公開されています。

お悩み34

著作権への対応として、特に注意すべき点や最近改定された点などがあれば知りたいです。(保険)

平成最後の年末・年始に改正著作権法が施行されました。主なポイントは、年末のTPP発効に伴う①著作物等の保護期間が著作者の死後50年から「70年」に延長②著作権等侵害罪の一部非親告罪化、です。
年始の改正法では③デジタル化・ネットワーク化の進展に対応した柔軟な権利制限規定の整備(AI学習などでの利用柔軟化、文章一部表示など軽微利用の緩和)です。また今後、学校の授業では、遠隔合同授業以外の公衆送信でも無許諾で利用できるようになるため、補償金制度が整備中です。
大原則である「無許諾複製は著作権侵害」は変わっていませんので、引き続き注意してください。

お悩み35

プレスリリースから掲載されたパブリシティ記事の情報は、HPへリンク(URL)掲載はOKでしょうか?
またイントラへの掲載、もしくは社内メールでの共有は可能ですか?(広告)

自社が発信したプレスリリースを利用したパブリシティ記事であっても、その記事の著作権は筆者側が持っていますので、無許諾コピーなどはできません。リンク掲載については、記事の載ったサイトのリンクポリシーなどを読んだうえで、不当な利用方法にならないように注意してください。
「リンクフリー」と書いてあればどこにURLを載せてもOKですが、「リンクの申請が必要」「商用利用は除く」などの条件がある場合も多いです。

お悩み36

外資系企業です。グループ社員が全員アクセスできる社内SNSがあり、他国の広報担当者はその国での掲載記事を平気でSNSに掲載しているのですが、日本ではもちろん行っていません。本社や海外のカウンターパートから「なぜ日本の記事をアップしないのか?」と聞かれる状況です。記事の著作権の扱いは、他の国でも特に変わらないと思うのですが、海外展開を行っている企業やグローバル企業での情報共有の仕方などを知りたいです。(広報)

「ベルヌ条約」「万国著作権条約」により、日本で発生した著作権は100以上の国で保護されます。しかし「何を著作物とするか」は国よって考え方が違います。
日本はベルヌ条約に1899年に加盟していますが、米国は1989年と日が浅く、それまでは(C)マークが無いと著作物として認められませんでした。また米国では「フェアユース」が著作権法で採用されており、著作権の制限に対する感覚が異なる場合もあります。
「その国の著作権者の権利を侵害していないか」の考え方に立てば、日本ではもちろん行っていません、という対応は正しいです。

お悩み37

サウンドロゴなど音声で作るCMの音源元が、偶然か無意識かは、わかりませんが似たような音源が存在していた場合、著作権または知財権侵害に該当しますか?(保障)

偶然に同じ音源が存在していたら? どちらも著作物となり、作者は著作者となります。同じ発明をしても先に出願した者が優先するという「特許」の仕組みとは異なる点です。
ただし、模倣して音源を作り発表した場合には「無許諾複製」という権利侵害になります。「偶然」と「故意」では、大きな違いがありますね。

お悩み38

官公庁が作成しているパンフレット、ガイドラインを利用して社内資料を作成する際、出典を記載すれば利用しても良いものでしょうか?(食品)

法令や、官公庁が発する告示・訓令・通達などは自由に利用できます。
ただし、官公庁作成の白書、報告書、データベースなどは著作物と同様の保護を受けるため、転載禁止の場合もあり得ます。
お尋ねのパンフレット、ガイドラインがどちらにあたるかの判断は、内容によって左右されるでしょう。該当官公庁に直接問い合わせるのがよろしいかと思います。

お悩み39

他部署がメールで関係者(限定的)へ配布している記事等について、注意すべきか悩んでしまいます。(機械製造)

メールで配信しているのは、記事を撮影したイメージでしょうか、テキストとしてのコピーでしょうか。いずれにしても、無許諾での複製は著作権侵害となります。社内のみ、限定的な少人数、だとしても同様です。
宛先のメーリングリストに知らずに部外者が含まれており、行為自体が漏洩する事もあり得ます。
新聞社への許諾申請、著作権処理済みのクリッピング、など正当な利用方法をぜひ伝えてあげてください。

お悩み40

地域の古い写真を社内報や販促物に掲載する際の権利関係はどのように確認したらよいでしょうか?(ホテル)

写真は、著作者の死後70年まで著作権保護の対象です。2018年12月30日施行改正著作権法により、長くなりました。撮影後70年ではありませんので、注意が必要です。
書物なのか、どこかで展示されたものなのか、その古い写真を発見した場所に詳しく問い合わせて、著作者の行方を確認して、本人や家族に連絡をとる必要があります。
どうしても著作者と連絡が取れない場合には、文化庁長官の裁定を受けて、補償金を供託したうえで利用する方法もあります。

お悩み41

ネットニュース記事(無料)について見出し、数行の要約及びURLを記載し、社内メールで部内に配信することは問題になりますか?(製造)

見出しの無断複製については、権利侵害とされた判例もあります。さらに、記事の要約は著作権侵害の恐れが濃厚です。
そのニュースサイトの利用規約など確認したうえで、利用許諾を申請するようお勧めします。社内メールだから、部内のみの配信だから、といっても免責にはなりません。
URLの記載については、ニュースサイトのリンクポリシーを確認して、不当な利用にならないように注意してください。リンク利用に制限のある場合もあります。


お悩み42

取材していただき掲載になった記事は、原紙以外何枚くらいなら「社内報告用」として認められるものなのでしょうか。
ちなみに、PDFをイントラネットに掲載するのは言語道断と認識していますが、この認識は正しいでしょうか。(通信)

その記事を取材し掲載した媒体社ごとに、判断は異なると思います。「取材をした対象の社内報告用なら●枚の複製を認める」という業界統一ルールがあるわけではなく、通常の複製許諾に則した判断がなされますので、その媒体社に問い合わせてみて下さい。
また、許諾なく記事をPDF化しイントラに掲載するのはNGです。仮に紙の複製許諾を得た記事でも、PDF化やイントラ掲出は別の判断となりますので、注意が必要です。

お悩み43

自社が掲載された記事を社内で共有するにあたり、記事や文章複写はNGなのは理解していますが、掲載文の要約であればOKなのでしょうか。
数千人の社員に共有するにあたり少しでも情報公開・共有したいというのが広報の立場の思いです。(店舗施工)

「我が社の□□が紹介されました。○月○日付け△△新聞朝刊、●月●日付け××新聞夕刊…(以下羅列)」という程度の表記なら問題ありません。しかし、その記事を読まなくても内容がわかるような要約は、著作権侵害のおそれがあります。
その媒体社の利用規約など確認したうえで、利用許諾を申請し、記事全文を共有することをお勧めします。


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