新聞や雑誌記事の利用と著作権について、ユーザのよくあるお悩みをまとめました。

お悩み01

社内メールを使って、新聞掲載日や新聞の掲載内容を抜粋した文書を流しても良いものでしょうか。(金属業界)

「○月×日の△△新聞に、我が社の新製品□□が紹介されました。みなさん読んでおいてください」という程度の内容なら問題ありません。
記事内容コピー・要約・撮影して添付、などの行為となると、無許諾ではできません。

お悩み02

新聞1紙しか購読していない場合、効率の良い回覧方法などありますか。(金属業界)

読んでほしい記事一覧を貼り付けて回覧する、などの方法もありますが、手間がかかりますね。また、購読部数を増やしても効率化できるとは限りません。
登録したキーワードによって記事が配信されるクリッピングサービスが最もお勧めです。

お悩み03

社内の著作権に関する啓発について、情報誌やイントラでの注意喚起は行っていますが、他に何か有効な施策はないでしょうか。(保険業界)

著作権者側は、コンテンツ不正利用に対しての警告・法的措置を強めています。取締役会などで「著作権侵害の撲滅、コンプライアンスリスク軽減」を決議して社内浸透を図るのはいかがでしょうか。著作権に関する検定を人事評価に取り入れるという手もありますね。

お悩み04

自社製品の掲載記事の社内での回覧に制限を設けたところ、営業サイドから猛反発があった。掲載記事を営業のツールと思っているところがあり、著作権についての意識が希薄。 記事利用、ネット上の画像の引用など、著作権についての啓発を行いたいが、ビジネスの優先順位的にはかなり低く、広報だけではなかなか取り組みが進められない。社内の啓発や、営業が満足するような記事の利用方法はないか。(商社)

自社に関する記事やネット上の画像を営業ツールに使っているということは、違法コピーが社外(取引先)にも拡散され、著作権者(新聞社など)の目に触れる恐れもあるという、「コンプライアンス上の重大な危機」と言えるほどの事態です。許諾料を惜しんで、大きなリスクを背負うのは愚策です。 営業が使いたいと思うような記事は、広報が要望を取りまとめて新聞社から許諾を取る仕組みを作ったらいかがでしょうか。役員会などでその仕組みにお墨付きをもらえれば、堂々と展開できます。

お悩み05

HPを外注している業者から、新聞の論説記事で出典先を明記していれば転載の使用は問題ない、と聞いたが本当でしょうか。一律使用を認めていなかったのですが…。(医療)

新聞の論説記事は、他の新聞・雑誌への転載、放送、自動公衆送信などが可能です(著作権法39条)。しかし、転載禁止の表示がある場合はできません。社説の欄に「無断転載禁止」を表示している新聞社もありますので、注意しましょう。また、新聞協会の見解では「あくまでも各種メディアが『報道的な態様において』利用する場合にのみ許容されている」となっています。転載ではなく引用については、「報道・研究など正当な目的」「引用部分の明示」「引用部分が従」「出所の明示」などの条件を満たせば認められます。

お悩み06

パブリシティの掲載をそのまま弊社HPやSNSに載せても良いでしょうか?どこまでの情報であれば掲載を告知することが可能であるか、具体的な境界線を教えてください。(企画ページ名と公式HPへのリンクであれば掲載可能、等)(ファッション)

ここでいう「パブリシティ」とは、新聞などのメディア、ニュースサイト、などのことだと思います。「○月○日の▲▲新聞で紹介されました」という告知はOKです。ただし、文章をコピペしたり、記事を写真撮りして載せたりするのは、著作権侵害となりますので、避けましょう。「××サイトの◇◇コーナーに載っています。URLは……です」という告知は、基本的には問題ありませんが、サイトによってはリンクを張る申請を求めているケースもありますで、注意してください。

お悩み07

メジャーどころの記事クリッピングの著作権はクリアしているが、どこまで対応すべきか。他社はどうしているのか知りたい。(経理)

メジャー以外となると、地方紙、業界紙など中小規模の新聞でしょうか。各社ともクリッピング許諾の窓口はありますので、問い合わせてみることをお勧めします。定期的クリッピングの対象としていない新聞であれば、日本複製権センターで一括管理をしていますので、便利かもしれません。他社は必ずしも万全の態勢をとっているとは限りませんが、低いレベルに合わせて満足することなく、業界最先端のコンプライアンス態勢を整備して、おおいにPRされることが貴社の地位向上につながります。

お悩み08

紙媒体に自社記事が掲載されると、記事を執筆した記者に断った上で記事の写真を撮ってSNSへ載せている。本当はSNSだけでなく、ホームページにも掲載したい。しかし、HPへの掲載はコストもかかるので諦めてしまうのが現状だ。自社関連の記事についてはもうすこし簡単に載せる方法はありませんか。(国際協力団体)

新聞社・出版社などの所属する記者が執筆した記事は、本人ではなく新聞社側が著作権を持ちます。職務著作といいます。今回の相談では、記者の承諾だけでは不足で、やはり新聞社側と許諾の交渉をすべきだと思います。黙認されていると思っていても、決して見逃してくれているわけではありません。新聞社のウォッチが行き届いていないというのが実情でしょう。ホームページに自社の実績を報じる記事を載せることは、大きなPR効果を生みます。許諾を得ておけば、SNS、HPを絡めた露出も可能になります。「コスト」がどのくらいかかるのか、一度新聞社などと本腰を入れて交渉してみてはいかがでしょうか。

お悩み09

毎朝、購読紙のクリッピングを行なってファイリングしています。このファイルは自分の書類棚にあるのですが、役員や管理職が来て、ファイル内のクリッピング記事を読んでいきます。この行為は著作権侵害になりますか。(計測器)

そのクリッピングが、新聞原紙を切り抜いてファイルする方法ならば、複製行為がありませんので、誰が閲覧してもOKです。ただし、クリッピングの段階でコピーしているとなると、閲覧者の範囲よりも、複製許諾をきちんと取っているか、が重要なポイントになります。

お悩み10

自社関係の新聞記事をPDF化してサーバーに保管しています。 HPに掲載したり社内に回覧する目的ではなく、単純に「記録」として残すためです。将来、会社の「社史」を編纂するような場合に、その担当者が参照することがあるかもしれません。 この程度のPDF化でも許諾をとる必要がありますか?(化学)

新聞著作権協議会のホームページに、明快に書かれています。 「著作物を複写するには著作権のうちの複製権という権利が及びます。法律では私的使用のための複製は認められていますが、(略)企業・団体内でその業務に関連して著作物をコピーすることは私的使用の範囲には入らず、たとえ1枚のコピーでも著作権者の承諾が必要となります。」 無許諾でPDF化という複製を行っていることは、複製権の侵害になりますので、直ちに複製許諾を申請する必要があります。

お悩み11

自社では、著作権を含めて広報部門として抑えるべき法律を学び、社内で周知していくことを課題としています。良い方法はありますか?(医薬品)

社内の著作権教育の「制度化」を考えてはいかがでしょうか。
①社内研修のメニューに加える ②まず社外の講師を迎え、ゆくゆくは広報部門の社員が講師となる ③検定試験の費用を個人に補助する、または団体受検日を設けて一気に資格者を増やす、
などの段階が考えられます。

お悩み12

契約終了したタレントが出演している過去のCMの扱いが分かりません。広告主企業の判断だけで利用OKでしょうか。タレント事務所、制作会社への確認も必要なのでしょうか。(OA機器)

CMを含めて、映像作品には当然ながら著作権が発生しています。
「ホットライン テレビ番組著作権」では、「テレビ番組は脚本や音楽といった様々な著作物の集合体とも言えます。例えばドラマ番組は、原作や脚本、俳優が行った演技、音楽などの著作物によって構成されています。ですので、番組を使用する場合にはテレビ局だけでなく、これら著作物の著作権を持つ人・会社からも許諾を得る必要があります」となっています。
このCMの場合は、だれが著作権者なのか、CM作成時の契約書などで確認し、必要なら利用許諾をとらなければならないでしょう。

お悩み13

社員のみに配布する社内報に、自社が掲載された新聞記事などを載せるのは大丈夫でしょうか?(アパレル)

自社が発信したパブリシティに基づく記事であっても、その記事の著作権は新聞社側が持っていますので、無許諾コピーはできません。
社員のみに配布する場合でも、例外ではありません。社内の意識を高めるためにも、広報が率先して著作権を順守した運用を心がけましょう。

お悩み14

テレビの取材を受け、自社のHPに「○○テレビの○○番組(番組名)で当社の新商品○○が紹介されました」と文字情報として掲載することは、著作権上問題はないですか。取材を受けた番組制作側に掲載許諾を得る必要がありますか。(食品)

番組の内容を簡単な文字情報で掲載することは問題ありません。番組製作者に許諾を取る義務もありませんが、マナーとしては一言お知らせしておく方がいいと思います。
ただし、一字一句を文字に起こしたり、映像を掲載することは、無許諾複製にあたりますので避けてください。

お悩み15

記事の転用はどこまでOKでしょうか。(メーカー)

新聞・雑誌などの記事は著作物であり、著作権保護の対象です。無許諾での転用はできません。複製、加工、改変、翻訳、PDF化、配信などを含みます。
引用については、目的が正当、引用部分が明確、引用部分が従、などの要件があります。
また、ごく限られた範囲で許諾が不要な場合もあります。家庭内での私的利用などです。

                    

お悩み16

作成した広告の著作権は自社(=広告制作者)にあると思いますが、他企業のキャラクターを登場させていた場合には、広告の著作権の帰属はどうなりますか。(広告)

広告全体の著作権の帰属については、広告主、作成者、キャラクター権利者などで散在する状態を避けるには、契約時に決めるしかないと思いますが、そこまで契約に盛り込むのは大変かもしれません。
問題になるのは再利用時、2次利用時、などではないかと思いますので、その場合の利用ルール(申請方法、利用料など)を決めておけばいいのではないかと思います。

                    

お悩み17

PRのコンテンツを作る際に、出処のわからない写真を持ってこられて、それを使うように要請される場合があります。(情報)

著作権フリーのサイトから自分のブログへ画像を転載した人が画像の販売会社からライセンス料の請求を受けた、という例があります。
著作権フリーのはずが、著作権処理を全く行っていなかったサイトだった、というわけです。持ち込まれた画像の出処は慎重に確認しましょう。
画像データ自体を元に、関連情報を検索するサービスもあります。

 

お悩み18

以下のように、社内メールで周知することは著作権上問題はあるのでしょうか。(保険) ○月×日の△△新聞に、「○○○○○○○○○○○○」という見出しで当社の記事が掲載されました。 また、電子版でも掲載されていますので、ご覧ください。 URL: http://www.*********

「新聞の見出しにも著作権がある」と主張している新聞社もあります。見出しを複製して継続的に社内メールしているのであれば、新聞社に申請する方が良いと思います。見出しを使わずに記事の簡単な概要を書くのであれば問題はないでしょう。 電子版記事のURLをメール周知するなら、各新聞社のサイト(リンクポリシーなど)を確認してください。リンクを張る場合の申請を求めているサイトもあります。

                    

お悩み19

自社及び業界記事を社内に知らせることと著作権のバランスを、どうとったらよいか。社員への著作権教育の方法も知りたい。(電機)

自社・業界記事を社内でスピーディに共有することは重要です。著作権侵害を恐れて手を出さないのでは、大きな機会損失になるでしょう。新聞社から許諾を得るか、または著作権処理済みのクリッピングを使うか、正当な方法での記事活用を考えましょう。 (社員への著作権教育は「お悩み03」の回答をご参照下さい)

                    

お悩み20

企画書で、フリーペーパーや雑誌を利用して広報することを説明する際、記事を全部掲載するわけではないですが、イメージしてもらうために、該当するフリーペーパーの記事部分をスキャンして載せても問題ないでしょうか。また、それらの表紙をスキャンまたは撮影して、掲載することは、どうでしょうか。(財団)

社外に出す企画書、という前提でお答えします。フリーペーパー側が、「広く告知してほしいので、スキャン・掲載はOK」と言ってくれれば問題ありません。問い合わせをしてみてください。
また、表紙だけでも著作物にあたりますので、記事部分と同じく掲載の許諾が必要です。
(※平成24年の法改正「検討の過程における利用」で、社内で検討するために試作する企画書の段階では、将来的に著作権者の許諾を取る前提であれば、一定の限度で掲載OKとなる場合があります。ただしそのまま許諾なく企画書を社外に出せばアウトですので注意が必要です)

                    

お悩み21

ドラマや映画へ自社製品のリースや取材対応をした場合、放映日前にHPやSNSで告知を行うことは可能ですか。放映後、スクリーンショット画像を同様に掲載することは可能ですか。(ファッション)

ドラマに登場した製品を事前にPR告知できるかどうか。ドラマの「ネタバレ」になってしまう可能性があるので、制作者側も認めにくいかもしれません。
「問い合わせてみてOKと言われたら実施する」という姿勢でいいと思います。
放映後の画像掲載は、出演者などの著作権・肖像権が絡むので、これも問い合わせが必須です。

著作権についてもっと詳しく

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