著作権Q&A
著作権
お悩み 44 |デジタル時代の日本の著作権がどうなっているのか分からない。 「WELQ」の記事不正利用は明らかに問題でしたが、SNSに載せるなど、グレーゾーンも多い気がします。(広告)
デジタル時代であっても、著作権遵守の根本は「無許諾の複製を行わないこと」につきます。簡単な動作で見栄えよくコピーができてしまうデジタルツールは、そのあたりの意識が薄くなりがちなので注意が必要です。記事、写真、イラストのみならず、書影、他人の作成した地図画像等、基本的には著作物であり、許諾や利用規約の遵守が必要です。
お悩み 37 |サウンドロゴなど音声で作るCMの音源元が、偶然か無意識かは、わかりませんが似たような音源が存在していた場合、著作権または知財権侵害に該当しますか?(保障)
偶然に同じ音源が存在していたら? どちらも著作物となり、作者は著作者となります。同じ発明をしても先に出願した者が優先するという「特許」の仕組みとは異なる点です。ただし、模倣して音源を作り発表した場合には「無許諾複製」という権利侵害になります。「偶然」と「故意」では、大きな違いがありますね。
お悩み 34 |著作権への対応として、特に注意すべき点や最近改定された点などがあれば知りたいです。(保険)
平成最後の年末・年始に改正著作権法が施行されました。主なポイントは、年末のTPP発効に伴う①著作物等の保護期間が著作者の死後50年から「70年」に延長②著作権等侵害罪の一部非親告罪化、です。 年始の改正法では③デジタル化・ネットワーク化の進展に対応した柔軟な権利制限規定の整備(AI学習などでの利用柔軟化、文章一部表示など軽微利用の緩和)です。また今後、学校の授業では、遠隔合同授業以外の公衆送信でも無許諾で利用できるようになるため、補償金制度が整備中です。 大原則である「無許諾複製は著作権侵害」は変わっていませんので、引き続き注意してください。
お悩み 33 |利用許諾権の申請先が不明な場合の対応はどのようにしたらよいでしょうか?(人材派遣)
申請先不明というのは、ネットで流れている出典元不明の写真や文章を指しているのでしょうか?基本的には、そのような出典元不明のコンテンツを複製・二次利用するのは、リスクが高く、避けた方がよさそうです。 地域に伝承される童謡などの場合は、文化庁の裁定制度を利用する方法があります。 文化庁のホームページに裁定実績のデータベースが公開されています。
お悩み 30 |Facebookで新聞社の記事のシェアはOKでも、そのテキストのみをサイトで使用するのはNGですよね。 記事利用の許諾範囲については、よくわからない部分があるので、わかりやすいマニュアルがあるとたすかります。(農業関連)
【回答】ニュースサイト側が記事にFacebookやTwitterのシェアボタンをつけている場合は、拡散を希望しているというサインですので、どんどんシェアして結構です。 ただし、テキストをコピーして掲載するなどは、許諾がなければ著作権侵害となってしまいます。 書店の著作権法関係の棚に、わかりやすい解説本が並んでいますので、一読をお勧めします。 バックナンバーとなりますが雑誌「広報会議」2017年4月号では、「その著作権、大丈夫?Q&A」のタイトルで、広報の現場の疑問に答えた特集が掲載されていますので、ご参考にしてください。
お悩み 03 著作権意識を刷り込むアイデアないかなぁ…
自社のサービスがほめられた記事、コンプライアンス問題で批判された記事、同業他社についての注目すべき記事など、社内ネットワークに載せて広く知ってほしい記事が日々あります。一刻も早く共有したいのですが、著作権侵害になるのでは、という恐れもあって、バランスが難しい。他の企業では、どうやって乗り切っているのか、ぜひ知りたいです。 著作権については、私もちょっと苦手。広報課のメンバーでも熟知している人は少なくて、手探りのような状態です。社員全体への著作権意識の浸透や教育の方法、何かありませんか。
お悩み 01 ほめられた記事を無許諾でコピーして営業先で配布しちゃうのですが…
我が社の新サービスが新聞各紙で好意的に取り上げられました。その記事のコピーを営業先で配布している営業マンがいたので「無許諾の複製はだめですよ」と注意したところ、営業課長から広報課長へ抗議が来たんです。「ほめられた記事は絶好の商材だ。売り込みに使うなとは、それでも商社の人間か」ですって。 無許諾コピーが著作権侵害であることを啓発したいのですが、ビジネス優先の社風の中で、広報だけではなかなか取り組めません。営業も満足するような、いい方法はありませんか。
事案 04 外注先の業者が無許諾コピー
広報部が、外注による自社関連記事クリッピングを始めた。当然外注先の業者が複製許諾をとっていると思っていたが、コンプライアンス部から指摘され確認したところ、外注先業者は許諾をとっていなかった。
事案 02 無許諾複製、発覚しても改めず
自社に関する新聞記事を、広報課員が新聞社の許諾をとらずに切り抜いて複製、クリッピングを行っていた。新聞社が、違法コピーがないか業界別に聞き取り調査をしたことで判明。新聞社は許諾申請を要請したが、実務担当者は6ヶ月たっても応じることなく、クリッピングを続けていた。
File 05 検討過程の落とし穴
A3用紙の左右に二つの記事のコピーを並べ、いいと思う方に○をつける。そんな投票用紙を飯江が作った。東京本社の社員約1200人分をコピーして各部署へ配布した。TwitterやFacebookでも、何人もの社員がこの話題を投稿した。投票結果は、最初の提案の旅行雑誌が僅差で選ばれた。「いい仕事できたわ」。満足そうな飯江に、大きなカゲが忍び寄っていた。