第１回ELspot＋特別講演会レポート ～メディアリレーションの戦略的プロセス: 広報の成功の鍵～

　メディアリレーションは広報担当にとって、重要な活動の一つです。しかし、どのようにメディアにアプローチすればいいのか、どんなネタがメディアに取り上げられやすいのか、など悩むことも多いのではないでしょうか。そこで、今回初めての開催となったELspot＋特別講演会ではその悩みを解決すべく、読売新聞東京本社の元・経済部デスク（現・メディア局事業部長）中澤謙介氏にお越しいただき、弊社取締役・荒井博樹との対話を交えて「メディアの目線から取り上げたいリリース・ネタのポイント」についてお話しいただきました。
　また、第 5 回 の勉強会では、「自社が問題を起こしたら何をする！？」をテーマに、実際に起こった事例を通して危機対応広報の方法や気を付けるべきポイントについて討論しました。

１．特別講演会

　初めて講師を招く形で行われたELspot＋特別講演会。広報の方が直面しやすい「プレスリリースを取り上げてもらえない」「記者とのコミュニケーション方法が分からない」など、広報であれば誰もが一度は気にしたことがある内容をテーマに対面で開催いたしました。
　前半はパネル形式で、「メディア目線で取り上げたいリリース・ネタのポイント」についてお話しいただきました。中澤氏の経験から「どういった人に、どういったタイミングで、どう声をかければ記事になる可能性が高い」「こういった広報が重宝される」など具体的なエピソードが披露され、参加者は熱心にメモを取っていました。紙面づくりのキーパーソンであるデスクに接触するための“秘策”も教えていただきました。
　特別イベント後半の質疑応答は、少人数ならではのアットホームな雰囲気で行われました。講師と参加者は直接対話をすることができ、自分の疑問や意見を積極的に伝えていました。中澤氏はただ質問に答えるだけでなく、各社の事情を踏まえたアドバイスを加えて回答されており、参加者はより理解を深めることができました。
　プログラムの最後には名刺交換の機会が設けられ、中澤氏は個別の相談や質問にも丁寧に対応してくださいました。また、参加者同士が名刺交換しながら意見を交わす姿も見られました。

２．勉強会

　特別講演会に続いて行われた5回目のELspot+勉強会は、危機対応広報がテーマでした。
　はじめに、グループで「危機に直面した企業や団体の広報活動の事例」を共有。事例を紹介しながら、危機対応広報の成功や失敗の要因を分析し、改善点や学びを議論しました。
　次に、講師から示された実際の危機事例をもとにグループワークを行いました。各テーブルで、危機対応広報の基本的な流れやポイントを確認しながら、具体的なアクションプランを作成。実際に危機に直面した際には、リリースやSNSの発信を停止するなど、普段の業務に影響が及ぶこともあります。今回の話し合いでは、そのような対応を慎重に検討している様子が伝わってきました。
　危機対応広報は、日々の広報活動と密接に関わるものであり、一概に正解があるとは言えません。危機の種類や規模、影響範囲、発生時期などに応じて、最適な対応は変わります。この勉強会では具体的な事例を通して、事前に準備やシミュレーションを行うことの重要性と、実際に問題が発生したときには、迅速かつ柔軟に対応する力が必要であることを学びました。
　最後に、スケジュールが未定のままだった２０２４年２月のディスカッションテーマについて参加者同士で議論しました。その結果「(仮)記者へのアプローチ」について勉強会をすることになりました。

３．おわりに

　ELspot+（イーエルスポットプラス）は、「参加者主体の実践型コミュニティ」として、広報に興味を持つ様々なバックグラウンドのビジネスパーソンを会員として募り、義務や必要性に縛られることのない、サードプレイス（居心地の良い場所）のようなコミュニティを目指しております。広報担当者の皆様の中には、抱えている課題の解決策が思い浮かばない、社内に相談できる人がいないなど、様々なお悩みをお持ちの方もいらっしゃると思います。ELspot+にご参加いただき、課題をぶつけてみませんか？他の広報担当者との交流を通じて、新たな気づきが得られるかもしれません。広報歴の浅い方はもちろんのこと、経験豊富な方にとっても視野を広げる機会となります。ぜひご参加ください。

文責：ELNETカスタマーサポート部　田中　朱莉