著作権Q&A
写真
File 06「保護期間70年」ああ勘違い
「著作権の保護期間は発表から70年ですから、それを過ぎているものはだれでも自由に使えます。確かに御社の記事と写真を使わせていただきましたが、出典の記載がなくても問題ないと思います」。 2日後に、全国紙の知財部からメールが届いた。記事の方は著作者人格権により出典の表示を求めること、写真の方は著作権を有する写真家が存命であり複製許諾が望ましいこと、などが記され「不当な方法での利用には法的手段が用いられることがあります」と結ばれていた。
お悩み 64 |例えば、自社で撮影した商業施設の写真を自社カタログにイメージ写真として使用したり、社員のプライベート写真を会社案内等に掲載する際、例えば、キャラクターのシャツ を着ていた、権利は大丈夫かなどいつも悩みます。(化学)
①商業施設などの建物の写真の利用については、著作権よりも、商標権や不正競争防止法への注意が必要です。商業施設を表すロゴマークだけでなく、特徴的な外観自体が商標登録されている場合があります。また商業施設の持つ誘客力にフリーライドしていると見なされることもあり得ます。②いわゆる「写り込み」に関しては、平成24年著作権法改正に加え、令和2年法改正でも適法に利用できる範囲が広がりました。正当な範囲内の利用であれば、ご心配に及びません。
お悩み 40 |地域の古い写真を社内報や販促物に掲載する際の権利関係はどのように確認したらよいでしょうか?(ホテル)
写真は、著作者の死後70年まで著作権保護の対象です。2018年12月30日施行改正著作権法により、長くなりました。撮影後70年ではありませんので、注意が必要です。 書物なのか、どこかで展示されたものなのか、その古い写真を発見した場所に詳しく問い合わせて、著作者の行方を確認して、本人や家族に連絡をとる必要があります。 どうしても著作者と連絡が取れない場合には、文化庁長官の裁定を受けて、補償金を供託したうえで利用する方法もあります。
お悩み 32 |会社HP、パンフレットをリニューアルした際、当社が手掛けた設備設計案件の建物の外観写真を掲載しています。 これまでは、建物オーナーに掲載許可を打診していましたが、実際のところ、許可の確認はどこまで必要でしょうか?(設計)
建物は、相当な芸術性がないと著作物としては保護されません。 仮に著作物であるとしても、屋外に設置された美術の著作物、建築の著作物については、写真撮影などの自由な利用が認められています(著作権法46条)。 HPやパンフレット用の撮影・掲載であれば問題ないと思いますが、相手先には一言お知らせをしておくのが適切だと思います。 敷地内での無断撮影や、著名表示の冒用など、知らずに別の権利侵害につながるおそれもあるからです。
お悩み 17 |PRのコンテンツを作る際に、出処のわからない写真を持ってこられて、それを使うように要請される場合があります。(情報)
著作権フリーのサイトから自分のブログへ画像を転載した人が画像の販売会社からライセンス料の請求を受けた、という例があります。 著作権フリーのはずが、著作権処理を全く行っていなかったサイトだった、というわけです。持ち込まれた画像の出処は慎重に確認しましょう。 画像データ自体を元に、関連情報を検索するサービスもあります。